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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第二十六話 麻薬撲滅捜査を展開します。その2
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を交錯させた。
「向こうにいる駐在武官とやらは、ナイトハルト・ミュラー中尉ではありませんか?」
フィオーナが尋ねるとケンプが、今は彼は大尉だが卿知っているのか、と驚いた顔をしたので、しまったとフィオーナは思った。フェザーンに行ったことのない自分がどうしてミュラーのことなどを知っているのか、説明ができないことに気がついてしまったからだ。
なにやってんのフィオ!?という視線をティアナが浴びせてきている。
顔を赤くしたフィオーナは努めて顔色を元に戻し、
「いささか任務で助力をもらった経緯があるので」
と、簡潔に答えた。ティアナがそれを見て、話題を変えようとしたのか、
「それはそうと、今回の麻薬の元締めは、やはりバーゼル少将なのでしょうか」
バーゼル少将はカイザーリング艦隊の参謀長であり、さらに補給の総責任者をも兼ねている。これほどうってつけの人物もいない。
「その可能性は大だ。カイザーリング中将自身が関与しているかどうかは定かではないが、麻薬組織の実質的な元締めは彼だろう」
「果たして、そうだろうか」
ラインハルトが疑問を呈したので、全員が彼を見た。
「というと?」
「ケンプ中佐。確かにカイザーリング艦隊にサイオキシン麻薬が蔓延しているのは事実だ。だが、麻薬自体が一体そもそもどこから来たのか、それを突き止めない限り、カイザーリング艦隊を検挙しても、氷山の一角ということになる」
「それは承知している。だが、今の人員ではつまるところカイザーリング艦隊及びイゼルローン要塞、そしてそれら周辺を捜査するので精一杯なのだ」
「・・・・・・・」
ラインハルトはそれ以上何もいわずに、ただ軽くうなずいて引き下がったのだが、キルヒアイス、フィオーナ、そしてティアナには彼の眼に何か深い考えが漂っているのが、感じられたのである。
そして、数日後――。
ロイエンタールらからもたらされたフェザーン口座などの情報をもとにして、足固めをした特務捜査班は、ケンプの指揮によって、実働段階に入った。捜査は突発的かつ電撃的に行われた。まず、カイザーリング残存艦隊の捜査について、令状をもってカイザーリングその人と面会してこれを了承させ、ついで将官を全面的に一時的に隔離して徹底的な取り調べを行ったのである。この時、将官の取り調べを行うというので、わざわざオーディンの軍務省監察局から、メルデヴィッツ少将がやってきた。将官の取り調べということで、今回特別にやってきたのであった。
彼は貴族出身であるが、憲兵局での勤務が長く、サイオキシン麻薬についてもその危険性を良く知っていた。今年41歳、謹厳実直を絵にかいたような長身痩身の堀の深い顔立ちの黒髪の男であったが、そのオーラは同格の少将のみならずその上
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