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第二十六話 麻薬撲滅捜査を展開します。その2
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しはできない。

「しかしながら、陛下。要塞艦隊はゼークトが統括しております故、私の一存では・・・・」

 恐る恐るそう切り出すと、皇帝陛下は、

「おお!そうじゃったな!では、儂からゼークトに依頼するとしよう」

 そう言われてはなんとなく面白くないシュトックハウゼンに、

「卿にも苦労を掛けるな。しかし要塞司令官としての重責を果たしてくれていること、感謝するぞ。近々卿に沙汰があるじゃろう。卿の功に比肩してささやかな叙爵かもしれんがな」

 叙爵!!
 シュトックハウゼンは内心躍り上がりたいのを懸命にこらえた。彼自身は伯爵家の次男であったが、まだ無爵の身である。これが叙爵されるということはあらたに、どこか断絶した何らかの家柄を継がせることを意味している。

「ありがたき幸せ!!このシュトックハウゼン、粉骨砕身で軍務に精励いたしまする!!」
「頼むぞ」

 スクリーンは切れた。だが、シュトックハウゼンは椅子に寄り掛かりながら、この上ない幸福感に満ちていたのである。

「どうじゃな?」

 通信を切ったフリードリヒは傍らに控えるマインホフ元帥とグリンメルスハウゼン子爵に顔を向けた。ここは皇帝陛下専用の通信室で有り、こっそりと寝室のわきに作られている。これを知っているのは、マインホフ元帥、グリンメルスハウゼン子爵の二人だけであり、ブラウンシュヴァイクもリッテンハイムも、ワルターメッツも、ビリデルリングも、リヒテンラーデ侯爵すらも知らぬことなのである。
暗いわずか3畳ほどの、しかし徹底した防音を施した部屋の中に老人たちの哄笑が満ちていた。

「いや、お見事な操縦ぶり。なんと申してよいか、わかりませぬなぁ」

 マインホフ元帥が感嘆の顔を見せる。

「これでかの者が動きやすくなれば、その後が楽しみですわい。しかしながら、アレーナめが無理を言ってしまい、申し訳ございません、陛下」
「なんの、そう言いながらマインホフ、そちの顔は緩んでおるわ」

 皇帝陛下が指摘したので、3人はまた声を上げて笑った。

「ほっほっほ。いよいよマインホフ元帥も、小娘に骨抜きにされる年齢になったということかの?」
「なんの!まだまだ負けぬわい!儂がこうして陛下にお願い申し上げるのは、つまりはアレーナ、そしてかの者のじゃな――」
「わかっておるわかっておる。余もアレーナの力量を知っておるゆえ、こうして話を付けたのじゃ。そのアレーナが認めるミューゼルもまた、アンネローゼの弟である」
「二人が国政を支えてくれれば、我らも安泰というわけですかな」

 そう言いながら、グリンメルスハウゼンはじっと陛下の顔を見ている。陛下は何も言わず、軽く咳払いして視線を避けた。

「さて、次はゼークトじゃな。さっそく通信をつなげてくれぬ
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