第21話
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イドは表情を厳しくして尋ねた。
「いや、あくまでも噂だよ。途方もない価値のついた表に出せない由来の品ばかりが出品されるという話だけど………―――でも、その様子だと聞いたことはないみたいだね?」
「ああ………初めて聞いたよ。」
「………警察のデータベースでも見かけたことはありませんね。」
「”黒の競売会”か………なかなか洒落た名前だけどな。」
「…………………………」
(うふふ、これはひょっとしたらまさかの展開になるかもしれないわね。)
ヨシュアの説明を聞き、尋ねられたロイド達はそれぞれ不思議そうな表情をしている中、エリィは考え込み、レンは興味ありげな表情をしていた。
「そっか〜………あなた達なら何か知ってると思ったんだけど。やっぱりただの噂なのかな?」
「うーん、そうだね………ナイアルさんの情報ソースだから確かだとは思うんだけど………レンは何か知らないかい?」
「うふふ、知っていたとしてもタダではあげられないわねぇ?今のレンにとってエステルとヨシュアは”商売敵”だし♪エステルみたいに敵に塩を送る程レンは甘くないのはよく知っているでしょう?」
「ぐっ………相変わらず小生意気な妹ね〜。というかいつあたしが、敵に塩を送った事があるのよ!?」
「まあまあ、レンの言う事も一理あるよ。もしレンがその情報について何か知っていたとしても、その情報を手に入れる過程の労力も間違いなくあるから、その”対価”も支払わずに情報を提供してもらおうなんて虫が良すぎる話だよ。」
からかいの表情のレンに問いかけられて唸り声を上げた後レンを睨むエステルをヨシュアは苦笑しながら諫めた。
「む〜……というか前々から疑問に思っていたけど、何で突然遊撃士協会に”特例”を認めてもらってまでなった遊撃士を休業して”特務支援課”に出向したのよ?」
「あら、前にも言ったじゃない。”社会勉強”の為だって♪」
「社会を舐めた事をしているあんたが言っても全然説得力がないんだけど?」
「ハハ…………」
レンの答えを聞いてジト目でレンを睨むエステルの様子をヨシュアは苦笑しながら見守り
「………………」
エステル達の話が気になっていたロイドは真剣な表情で考え込んでいた。
「はは……そうだな。」
「それじゃあ、僕達はこれで。皆さん、おつかれさまでした。」
「おう、そちらもお疲れさん。」
そしてエステルとヨシュアはロイド達から去って行った。
こうして………記念祭2日目は過ぎて行った。支援課に戻って来たロイド達は報告書を纏め、皆で夕食を取ってから、明日の為に早めに休むことにした―――――
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