第21話
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ったようなところ………それが、俺のいた場所だ。」
「ランディ………」
目を細めて、声を低くして語るランディをロイドは真剣な表情で見つめ続け
「―――なーんてな。ははっ、それっぽかったろ?俺の過去なんざ、そんな大層なもんじゃねえさ。今はただの、夜遊びが大好きなクールでハンサムなナイスガイだ。それ以上でも、以下でもねえ。」
「…………………………」
起き上がっていつもの調子で語るランディを同じように起き上がったロイドは黙って見つめ続け
「あのさ、ランディ。前にも話したけど………俺には兄貴がいたんだ。」
やがてランディを見つめ続けたロイドは唐突に話し始めた。
「え…………」
「ガイ・バニングス………捜査一課に所属していた捜査官。とんでもなく破天荒で、あり得ないくらい前向きで………事故で両親を亡くした後、男手一人で俺を養ってくれて………憧れてた女性を取られても嫉妬すら沸いてこないような………とにかく”凄い男”だったよ。」
「そっか………はは、お前も大変だな。そんなスゲエ兄貴の背中を追いかけてるってわけか。」
「……まあね。でも、少し白状すると………ランディってさ………ちょっと兄貴に似てるんだよな。」
「へ………」
「もちろん顔とか全然、似てないんだけど………いつも俺とか、エリィ達をさり気なくフォローしてくれるだろう?そんな所がちょっと似てるんだ。」
「お、おいおい………こっ恥ずかしいこと言うなよ。お兄さん、顔が赤くなっちまうぜ。」
「はは、そういう照れ隠しもちょっと似てるかも。」
「うっ………」
「だから俺も、ランディのことを尊敬してるところがあるんだよな。ちゃんと”自分”をわかっていて他人にも気を遣えるところ………同僚っていうより、一人前の”男”としてさ。」
「………………………………」
ロイドの自分に対する印象を聞いたランディは呆けた様子でロイドを見つめ続けていた。
「……正直、俺はまだまだだ。多分、ランディの話を聞いても間の抜けた言葉しか出てこないんじゃないかと思う。―――だからさ。いつか俺が、兄貴やランディと肩を並べられるようになったら……その時は、聞かせてくれないか?」
「………ロイド………………ハハハハ………」
そしてロイドに視線を向けられたランディは口元に笑みを浮かべた後、ロイドの頭を撫で始めた。
「ラ、ランディ………?」
「いや〜、参った参った!お嬢もこぼしてたけどお前、天性の女たらしかもな。おっと、この場合アニキたらしってところか?」
「な、なんだそりゃ………ていうか、半人前なのは確かだけど子供扱いはさすがにやめてくれよ。」
「ククッ………ははははっ!」
ランデ
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