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英雄伝説〜菫の軌跡〜(零篇)
第21話
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皆さん、惜しみない拍手を〜!」

そのすぐ後に残りの2チームがゴールラインを走り抜け、観客達は大喝采の拍手をした。



「はあっ、はあっ、はあっ………」

「はっ、はっ、はっ、はっ………」

レースを終えたロイドとランディはそれぞれ地面に寝転がって息を切らせていた。

「ふふっ。お疲れ様。」

「………凄いレースでした。おめでとうございます。」

「うふふ、どんな形であれエステルとヨシュアのコンビ相手に勝てたなんて凄いじゃない♪」

「いや………全部………ランディの、作戦勝ちだよ……はあっ、はあっ………」

「いや……お前がいなけりゃ………最後の仕掛けは………成り立たねぇさ………ぐうっ………さ、さすがに飛ばし過ぎたぜ………」

エリィ達が2人の勝利を称えている中、2人はそれぞれ息を切らせながらお互いを称えていた。



「ふう、これだから男の子は………」

「単純というか、意地っ張りというか………まあ女の子も一人いましたけど。」

「うふふ、エステルは男勝りな部分もあるからむしろあの場にいて当然の存在よ。」

「ふふ、そうね。そうだ………私、冷たい飲み物買って来るわね。」

「あ、わたしも付き合います。東通りの屋台でいいですよね?」

「ええ、そうね。レンちゃんはどうする?」

「レンも喉がちょっと渇いたし、自分の飲み物も欲しいからレンも付き合うわ。」

「わかったわ。二人ともちょっと待ってて。」

エリィ達は飲み物を買いに東通りへと向かった。



「あー………うー………そういえば………何で俺達こんなことしたんだっけ………?」

「はは………どうでもよくなっちまったな…………………………」

エリィ達が東通りに向かった後、ロイドは息を切らせながら眉を顰め、ランディは苦笑した後、黙って自分の手を見つめ続けた。

「ランディ………?」

「―――正直、引いただろ………あんな風にキレちまってよ……」

「あ………………………」

「自分でも………よくわからねぇんだ。いつもヘラヘラ笑っている俺が”今”の本当の俺なのか………それともあんな風にキレちまうのが俺の本質なのか………この2年間で……すっかりわからなくなっちまった。」

「ランディ…………その、警備隊に入る前にはどこにいたんだ?クロスベル出身じゃないことは聞いているけど………」

複雑そうな表情で語るランディを見つめて考え込んでいたロイドは尋ねた。



「クク………どこにいたか………煉獄のように熱く………冥府のように寒いところかね。」

「え………」

「血も魂も沸騰し………凍り付くような世界………あらゆる生命(いのち)の輝きと………クソのような汚泥が入り混じ
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