第五十五話 決意を新たに
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、許さないから」
ミレイはデボラの服を掴んでいた手を背中に回して、大きな声で泣いた。
デボラは抵抗せず、優しく背中をさすった。
*
泣きながら、私は思い出していた。
何で精々1時間かそこらの会話で私がデボラに友情を感じたか。
アベルやヘンリーとも仲はいいけど、どっちかというと友達というより仲間という意識が強かったから私は本当の意味でこの世界に友人と呼べる人は今までいなかった。
でも、あの日私が緊張しながらも今までの冒険を話しているあの時は……、まるで新学期に初めて会った子とたどたどしくても話をしていって少しづつ友達になっていくような、あの感覚を感じる事が出来た。
きっとその感覚はデボラも感じていたに違いない。だから私達は仲良くなれた。
ありがとう、デボラーー。
*
デボラが帰った後、私は部屋から出た。
何だか廊下も壁に掛けてある肖像画も燭台も久しぶりに見る感じだ。
テラスに出ると気持ちの良い風が私を撫でて、目の前には綺麗な夕日と虹が出ていた。
最近が雨続きだけにとても綺麗に見えた。
ごめんね皆。今までずっと心配掛けて。私……もう逃げないから。
光の教団との戦いも、アベルとビアンカを助けるのも、『影響』の事からも私は逃げない。
100パーセント逃げないと言える保証はないし、また挫ける事もあるかもしれないけど、私は逃げたくないし立ち止まって下を見続けるよりは一歩づつ進んでいって前を向いていたい。
だから待ってて。アベル、ビアンカ。
必ず助けに行くから。
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