第十四話 表に出てきてその四
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「やっぱり何かの考えがあるんだろうがな」
「そのことも考えるべきかな」
「そうかもな、優子さんに聞いてみるか」
「そうしようかな」
こうしたことについてもとだ、優花は思った。そして実際にだ。
優花は優子にこのことについてだ、家で聞いた。すると。
優子は考える顔でだ、こう弟に答えた。
「前世の因縁、というとね」
「仏教?」
「若しは運命か」
「女の子になる」
「そうしたものかも知れないわね」
優子も答えは見出していない顔であった、だがそれでもかなり真剣にその答えを探りながらそのうえで答えたのだ。
「貴方については」
「運命なんだ」
「そこはね」
「そこは?」
「どうしてもね」
首を傾げさせつつだ、優子は弟に話した。
「わからないわ」
「はっきりとはなのね」
「わからないわ」
「やっぱりそれは」
「ええ、人間ではね」
人間である身の優子にはというのだ。
「どうしてもね」
「そうだよね、やっぱり」
「いつも言ってるけれど人間の知っていることは僅かなのよ」
「この世のね」
「そしてわかることもね」
「僅かなんだね」
「ええ、だからどうして優花が女の子になるのか」
今彼等が向かい合っているこの現実についてというのだ。
「はっきりとはわからないわ」
「そうだよね、やっぱり」
「また言うけれど人が知っていることもわかることもほんの少しだから」
「それでなんだね」
「そう、運命か」
若しくはとだ、優子は言葉を続けた。
「前世の因縁かしら」
「前世の?」
「これも運命になるかも知れないけれど」
「僕が前世に何かあって」
「そう、女の子になるのかもね」
こうも言うのだった。
「若しくは神様か仏様が最初は女の子にするつもりが」
「男の子に生まれたから」
「訂正しているのかも知れないわね」
「何かどうも」
「わからないでしょ」
「うん、どれなのかね」
「それでも現実としてね」
まさにというのだ。
「優花が女の子になることはね」
「そのことは事実だよね」
「紛れもなくね」
「どうしてそうなっているのかわからないけれど」
「現実なのよ」
優花が男から女になろうとしている、このことはというのだ。
「紛れもなくね」
「そうだよね、そのことは」
「だからね」
「このことを受け入れるしかないね」
「そして向かっていくしかね」
「そうだね、僕はこれからは女の子になるんだね」
「女の子になったら」
その時のこともだ、優子は自分から言った。
「お仕事も家庭もね」
「違ってくるよね」
「男の人とね」
「そうだよね、普通にね」
「ええ、女の人は子供を産むから」
「そのことが一番大きいよね」
「それが決定的なことなの」
まさにという
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