第十四話 表に出てきてその一
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第十四話 表に出てきて
優花についてだ、クラスメイト達はまた噂をしていた。
「蓮見って見れば見る程女の子だよな」
「最近さらにそうなってきたな」
「ああ、女の子の服着たらな」
「そのままだな」
「男の娘だな」
「女の子より女の子らしいな」
「そうなってきたな」
こう話すのだった。
「メイド服とか着てな」
「そうそう、メイド喫茶でな」
「そのままメイドさんやれそうだな」
「それ冗談じゃねえぞ」
それこそというのだ。
「前からそうだったけれどな」
「毛もないしな」
「胸毛も脛毛もな」
「それで髭も生えそうにないだろ」
「髪の毛だけは豊かでな」
「濃くてしかもしなやかで」
「女の子みたいな髪の毛だな」
髪の毛を見ると余計にだった。
「伸ばしたら似合うな」
「ロングでも何でもな」
「女の子の髪型似合うぜ」
「絶対にな」
「シャンプーとかリンスして」
「コンディショナーもして」
「セットしたら」
かなり盛り上がっていた、優花のそのことで。
「完璧女の子だな」
「男の娘どころじゃないぜ」
「ああ、それどころかな」
「もっと凄くなるぜ」
こう話すのだった、そしてだった。
その話を聞いてだ、優花本人も言った。
「僕ってやっぱり」
「気にするなよ」
龍馬は優花にすぐに言った。
「そして何も言うなよ」
「うん、そうだね」
「言うとかえってな」
「おかしくなるね」
「ああ、だからな」
「うん、聞いてもだね」
「聞かないふりしろ」
これが龍馬の提案だった。
「本当にな」
「そうするよ」
「聞いていてもな」
それでもというのだ。
「耳に入っていない」
「そうしたふりをするんだね」
「これも祖父ちゃんに言われたんだよ」
龍馬が尊敬する彼の、というのだ。
「そうした方がいい時もあるってな」
「聞こえていてもなんて」
「ああ、聞いていないな」
「そうしたふりをした方がいい時もあるんだね」
「陰口とか言う奴いるだろ」
「うん、何処にでもね」
「しかもな」
「聞こえる様にだね」
優花も言う。
「そうした人いるね」
「そうした奴にいちいち怒っていたらな」
それこそというのだ。
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