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ありがとう!(V完結編)
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屋の中を飛び回っている。建一の部屋の、物音は聴こえた。[若い者は元気が良いな]と、総一郎は感じた。総一郎は、三人分の朝食を用意して、二人を待った。時間が過ぎ、やっと二人が部屋から出て来た。「お早うございます。すいません、遅くなって」と幸世が言い、「父ちゃん、お早う」と、建一が言った。「今、朝食の支度をします」と、幸世が言って、何気なくテーブルを見たら、既に、三人分の朝食を用意して有った。「御免なさい、初日から、お嫁さん失格ですね」と、幸世が決まり悪そうに言った。「今日は、大目に見る」と、総一郎が言った。流しで朝食の食器を洗っている際、幸世は、大好きな建一との交わりの余韻に浸り、含み笑いをしていた。二人は部屋に戻った。幸世は、机に置いて有るエロ雑誌を手に取り、笑いながら「建ちゃん、私が居るから、この雑誌、要らないでしょう。捨てるよ」と、言った。建一は、気恥ずかしい思いで、苦笑いをしながら「良いよ」と、言った。幸世は、微笑みながら、雑誌をゴミ箱に捨て、建一の手を自分の胸に当て「また、今夜ね・・」と、耳元で囁き、建一の口に軽くキスをした。建一は[夢を見ているのでは?]と思い、自分の頬を、つねった。朝食を終えた総一郎が、庭先で花を取り、花束を二つ作っていた。建一は「幸ちゃん、早く、出発するのが遅れる」と、幸世を急かせた。幸世が「建ちゃん、待って」と、言って、台所から出て来て「お父さんの昼食、冷蔵庫に有る物で作って、テーブルに置いて有ります。口に合わないかも知れませんが、食べてみて下さい」と、言い、庭にでた。「幸ちゃん?俺も、幸世さんを幸ちゃんと呼んで良いか」と、総一郎が幸世に聞いた。「はい、良いです」と、幸世が答えた。総一郎が「花束を二つ作ったので、お墓に御供えして」と、言って、幸世に渡した。今日は、買物も有るので、幸世の水色の軽乗用車で、行く事にした。モンタは、二人と一緒に行きたがって居たが、市役所やホームセンターは建物が大きく、動物は中に入れないので、総一郎と一緒に留守番させた。建一と幸世は、母猿の墓石に合掌した。墓石には既に、総一郎によって果物が供えられ、左右の花立てには、花が一輪ずつ差して有った。そして建一と幸世は、総一郎の作った花束を後部席に乗せ、出発した。建一は運転をしながら、朝の交わりを想いだし、ほくそ笑んでいた。幸世は「変な建ちゃん」と、言って含み笑いをした。まず、往路に或る霊園に立寄った。霊園内は閑散していて、人影は全く無かった。高木家の墓石に花束を供え、合掌して結婚の報告をした。事務所に行ったら[規約が変わり、霊園の中も、車の乗り入れが可能になったが、一方通行です]と、言われ、霊園内の地図を渡された。建一が「今日、婚姻届を出しますので、墓地の所有者の名前が変わります」と、言った。霊園の人が「分かりました。おめでとうございます。こちらに新しい名前・
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