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ありがとう!(V完結編)
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生徒の登下校は、全てスクールバスで送迎させ、バスの運転手には、シルバー人材センターの、大型免許所持者を採用し、中高年の雇用の促進にも、寄与した。小規模の小中学校(分校)では、生徒数が少ない為、低学年から高学年まで一人の教師が担当していた。中規模の学校は、学科・学年ごとに、専門の別々な教師が担当していた。これでは、学力にも運動にも格差が生れると考え、教育委員会と協議して、学校の集約化を実施した。保育園は、殆ど造らず、子供の保育は、集落の老婦人に任せた。人生経験が豊富な老婦人達は、孫の様に接し、子供達は、自然界を満喫した。老婦人達の古民家保育には時間制限が無く、母親達にも好評で、老婦人達と母親達との間に、絆が生れた。町内には、バス停が無い、無料巡回のマイクロバスを運行させ、町民は何処でも、手を上げれば、乗車できた。都市ガス・上水道のインフラは、災害時には、一斉にライフラインが途切れると考え、プロパンガスと井戸を奨励し、補助金も出し、風力・水力(小規模水車)・太陽光パネルの自然エネルギーも、積極的に推進した。町の職員は、アンケート用紙に依る、自分の評価が上がる事を願い、積極的に町民と接し、現場に従事する様になった。次第に、集落の老人達の子弟のリターン組が急増した。同時に、建一に賛同する若者達が、全国から集まり、定住する様になった。
建一は二期の町長にも再選された。二期目の中頃、建一は寺岡補佐役・矢部秘書課長・木村課長を同行させ、無料巡回マイクロバスで、揺子の学校を視察した。車内で老人が建一に近寄り「家の近くの道路で、手を上げれば、バスに乗れます。以前は、バス停まで歩いて行ったので、私の様な年寄は、遠くて大変でした。年寄でも、無料バスの足が出来て、町に出るのが、楽しくなりました。町長さん、有難う御座います」と、言った。建一は「まだ何か、不便な事が有りますか?」と、聞くと、老人は「町内には、年寄が、休憩を取る所が、殆どありません。町内の色々な場所に、休憩用のベンチを置いて欲しいです」と、答えた。老人目線の、貴重な意見だった。木村課長が「解りました。私が責任を持って対応します。任せて下さい」と、声を張り上げ言った。「貴重な御意見、有難う御座います」と言って、建一を筆頭に同行した三人は、老人に、深々と頭を下げた。建一は木村課長に「企業から一般公募で、ベンチを提供して貰う様に」と、指示した。寺岡補佐役と矢部課長の顔に、笑顔が毀れていた。小さな思いやりだった。後日、民間企業から、贈呈企業の名入のシルバーベンチが、数多く集まり、町内の、あらゆる場所に設置した。ベンチは、近所の住民が、自発的に掃除して、清潔さを保っていた。無料巡回マイクロバスは、学校に着いた。校長が出迎え、校内を案内した。図書室・理科室・保健室が在り、校庭は広く、体育館やプールや遊具も、全て揃っていた。今までの
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