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ありがとう!(V完結編)
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止しれ、代り
 に、麓からの送迎バスを運行させる。
9.公園に従事する人間は、なるべく町の職
 員の配置換えで賄う。
10.ヨーロッパのドイツの事例に倣い、野良
 犬や野良猫の殺傷処分は、条例で禁止し
 て、里親(飼い主)を見付ける。
11.テレビなどの広告媒体で、野生動物公園
 の宣伝活動を常時行い、出演者は町役場
 の職員をタレント化する。

などの、野生動物関連の条例案は、水を得た鯉の様に、次々に成立した。
次に、町役場の職員の、意識改革に着手した。各々の部署への説明は、木村課長が担当した。
1.関連部署の課の統合。
2.公用車の台数削減。
3.職員の帰り支度は、終業時以降。
4.職員の、町民との直接対話の為の、巡回
 サービスの充実。
5.一つの仕事に対する、職員の関わる人数
 の少数化。
6.職員名の一覧が入った、アンケート用紙
 を作り、町民から職員の評価を、匿名で
 郵送して貰う。
7.職員の時間外勤務の有効化。
8.町役場の職員の町内移住を促進し、定住
 した者は、手当を支給する。

など、多岐に及んだ。当然、今までの、町役場の風潮に、馴れ染まった職員から、異議を唱える者が続出した。建一は職員に説いた。「民間の会社でも、具体的に実績が数字で表れるのは、営業だけです。工場の従業員でも事務職でも、実績の数字は見えません。人は皆、[有難う]と、感謝され、宛にされる事が、一番嬉しいのです。皆さんの実績は、[有難う]と、感謝され、宛にされる事です。町民から、文句や注意を貰って、嬉しい人間はいません。町民に接した際は、皆さんは町民に、深々と頭を下げ[有難う御座います]と、言って下さい。皆さんの御客様は、町民様です。[有難う御座います]と、言われた町民は皆さんが好きになり、皆さんを宛にします」職員全員が、静まり返った。次第に職員から、拍手が、沸き起こった。
寺岡補佐役から、競走馬の90%が、殺処分に成っている事実を知った。建一は、強い衝撃を受けた。人間の欲望を叶える為に、成績の悪い馬達が、犠牲に成っている。人間自身が競う、他の公営ギャンブルでは、この様な事は有りえない。動物虐待だと感じた。建一は寺岡補佐役に指示して殺処分対象の馬の払い下げ交渉に当らせた。既に、宮崎県では、野生の馬が存在していた。野生動物公園に、払い下げの競走馬も、加わった。
野生動物公園の入場者数は、予想をはるかに上回り、建一の施策は、事如く実を結んだ。連日、大勢の来園者が押し寄せ、町の収益は、ゴルフ場の時より、数倍に膨れ上がった。観光事例の町興しと、生態系保護の成功事例が合体したモデルケースとして、全国から首長が、視察に訪れた。
建一は教育事業にも力を入れ、集落に在る小規模の小中学校(分校)を統廃合して、中規模の学校に集約した。
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