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ありがとう!(V完結編)
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住んでいた。一週間程、建一は、そんな日々を続けた。公用車は、自分が公用でアルコールが入った時のみに、運転代行として使った。次に、廃業したゴルフ場を、町の職員と視察した。ゴルフ場で、反対運動を共に戦った、寺岡と云う、初老の人物が加わった。視察には、十数名の職員が、各々の課の公用車で、同行した。建一が「如何して、こんな沢山の車に大勢の職員が、必要なのだ」と、聞くと、秘書課長は「ゴルフ場の関係する事は、多岐に有ります。関係する事で、部署が違うので、これだけの職員と車が、必要になります」と、答えた。建一は「同じ車に便乗すれば、使用する車は、少なくても、半分で済むのでは?」と、聞くと、秘書課長は「原則として、よその課の車は使えません」と、答えた。寺岡が「車は毎日、使用しているのか?」と、聞くと、秘書課長は「課に依っては、一ヶ月間、使用しない車も有ります」と、答えた。建一と寺岡は[改革すべき問題は、山積している]と、通感した。正直に、町役場の内状を語った矢部秘書課長には、脈が有ると思った。ゴルフ場は町有地で、廃業と伴に、町への地代収入が無くなり、クラブハウスの固定資産税も無くなった。ゴルフ場は荒廃し、野生動物が数種類、群れを成していた。ゴルフ場から町役場に戻った建一は、寺岡を町長補佐役に任命した。翌日から、寺岡補佐役と秘書課長と話し合い、条例案を作成した。秘書課長は唯一、集落で親と一緒に住み、以前から町役場の体質に批判的だった。建一は、条例案を町議会に提出したが、前町長派が大勢を占める、利権議員によって、ことごとく潰された。前町長の残党議員は、名誉職や既得権に関わる(かかわる)、議員が大半だった。建一は、町議会の解散の必要性を感じ、実行に移した。町長選挙の余波で、議会選挙は、早川派が圧勝した。これで、建一の、町政の地盤が確立した。早川仲間派は、若手議員が殆どだった。改めて、建一は寺岡補佐役・矢部秘書課長と、早川仲間派を混じえて、条例案の立案に取り掛かった。
条例案は
1.ゴルフ場を、野生動物公園にする。
2.公園内を一般公開して、入園料を
 徴収する。
3.遊歩道は、橋桁で地面より上げて造り、
 野生動物との直接な触れ合いでの、事故
 を未然に防ぐ。
4.公園内に広い池を造り、野生動物の水飲
 み場と、水鳥の生息地にする。
5.クラブハウスは、公園入場者のレストラ
 ンに改修し、隣に野生動物との触れ合い
 の場所を増設する。
6.フェアウエーやラフに、野生動物の餌に
 成る樹木や作物を植え、バンカーは池に
 変える。
7.野生動物は、地元固有の動物や、野鳥や、
 昆虫などを増殖させ、買い入れと維持管
 理費に多額な費用を要する、海外からの
 動物は、入れない。
8.排気ガスによる生態系の破壊を防ぐ為、
 公園内の車の乗り入れは禁
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