ありがとう!(V完結編)
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」と、言った。傍に幸世も来て「爺ちゃんは悪く無いの。ママが悪いの。ごめんね」と、言った。揺子が泣き止み「今日は、パパとママと一緒に寝る」と、言った。総一郎が、隣の滝沢家に電話した。滝沢家の全員が駆け付け、幸世の帰りを喜んだ。幸世は、家族の絆の大切さを、改めて痛感した。幸世と一枝で、未だ夕食が済んでない早川家の食事を作った。夕食は、総一郎の好物の、スパゲッティ―だった。建一が再度、総一郎が作った結婚指輪を幸世の指に填めた。総一郎が、冗談で「幸ちゃんは、逃げない様に指輪より、首輪の方が良い」と、言った。全員が「賛成」と、言って、手を上げた。モンタ迄もが、真似をして手を上げた。「ごめんなさい」と、幸世が恥ずかしそうに、小声で言った。二人は、庭に出た。木と木を跨って、吊るして或る、ハンモックに座った。二人は、星空を見上げた。揺子が、家から出て来た。「パパとママのブランコ、押してあげる」と言い、揺子はハンモックを押した。その夜、親子は川の字で眠った。総一郎の部屋には、モンタが寝た。
翌朝、トヨ婆ちゃんが、赤飯を作って持って来てくれた。赤飯を食べ終え、建一と幸世は警察に向かった。警察署で、恐喝担当の刑事と面会した。建一は刑事を見て、たまげた。刑事も建一を見て驚いていた。刑事は、空手部のキャプテンだった。二人は再会を喜んだ。建一は、幸世が信雄に脅迫され続けた事を話した。キャプテンの刑事は、親身になって聞いてくれた。建一は、携帯電話のメールの着信履歴や、保存されていた信雄の顔写真や、口座からの振込履歴を提示した。キャプテンの刑事は、「これだけ証拠が揃っていれば、逮捕には充分だ」だと、言った。建一と幸世は「宜しくお願いします」と、言った。キャプテンの刑事は、「後日、電話します。必ず逮捕します」と、言い「建一君、自然破壊、反対や野生動物の保護運動、拝見しています。私も同感です。頑張って下さい」と、励ました。建一と幸世は、お辞儀をして、刑事室を出て警察署を後にした。建一は[やはり正義感の強い、キャプテンは違うな]と思い、若干、建一の警察への不信感が、和らいた。一週間後、キャプテン刑事から電話が有り「八方、手を尽くしたが、如何しても、信雄の所在が分からない。幸世さんの携帯電話の、メールと通話の受信拒否を解除する事と、録音機能の設定と、逆探知の設定を、して欲しい」との、要請が有った。建一と幸世は、即、警察署に行き、その要請に応じた。
この町の、町長選挙が近づいた。現町長の荒井町長は、合併の際、自分の町が一番、人口が多かったから就任だけで、町長選挙は、今回が初めてだった。荒井町長はゴルフ場の誘致で失政を招き、人気は衰退し、風前の灯火だったが、町長の椅子に固執し出馬表明をした。ゴルフ場反対、生態系の保護・野生動物との共存を訴え、荒井町長と対立した人々には、対抗馬を立てる必要は有った。
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