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ありがとう!(V完結編)
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はめんどくさい。縛られるのは嫌いだ。幸世が愛人の方が良い」と言う、身勝手な高飛車の電話だった。幸世は電話を切った。再度、携帯電話が鳴った。信雄からだった。「何で、電話を切る?電話を切ったら、旦那にバラス。俺の携帯電話には、ホテルでの幸世の写真が一杯ある。電話もメールも受信拒否に、するな。俺は親に勘当されて、金銭面で困っている。金も要るから、頼もうと思っている。今日の処は、この位にする。もう一度、言う。電話もメールも、受信拒否にすれば、旦那にバラス。幸世の住所の集落も、知っているから」と、言って、電話を切った。全くの脅迫電話だった。ゴルフ場での幸世の不安が的中した。幸世は昔、信雄と愛人関係だった事が、大好きな建一に知れるのが怖かった。始めての夜、幸世が言い掛けたら、建一に口を塞がれたので、愛人が信雄である事を、まだ建一は、知らないと思っていた。その上、信雄との間に、揺子が居る事も、知られたく無かった。信雄の、ネオン街での豪遊は止まらず、電話での脅迫言動が、ヤクザとも付き合っている様だった。一日二日後から、信雄からメールが頻繁に来た。始め頃の脅迫メールは幸世を求めたが、幸世が拒否して、指定された口座に、お金だけ振込んだ。でも、どのメールにも、必ず[俺の携帯電話には、ホテルでの、幸世の写真が一杯ある。電話もメールも受信拒否にすれば、旦那にバラス。幸世の住所も知っているからの]文言は、入っていた。メールは、丸でヤクザだった。次第にメールは、何時もの文章の文頭だけが[俺はイケメンだから、女には不自由していない。金だけ振込め]に変わり、他の部分は、全て何時も内容だった。メールには、自分の顔を誇示するかの様に、信雄の写真も有った。頭は禿げ上がり、頬は、痩け(こけ)、昔の面影は薄れていた。幸世は、揺子の姿を児童養護施設に、見に行く度に、信雄に振込む様になり、要求金額は、エスカレートしていった。幸世には、自分名義の預金は、揺子の児童養護施設に置いてきたので、殆ど無く、建一名義の預金は、次第に目減りしていった。幸世は決意した。幸世は自分達の部屋で、結婚指輪を、外し、机に置いた。半紙に[建ちゃん、ごめんなさい。お父さん、ごめんなさい。モンタ、ごめんね]と、書き、外した指輪を、その上に置いた。幸世は、水色の軽乗用車に乗って、自宅を後にした。幸世は、信雄にメールした。[私は、家を出ました。作り話だと思うなら、私の集落に行ってみて下さい。私には、貴方に振込むお金は、もう有りません。今日から、貴方の電話もメールも、受信拒否します]の、内容のメールだった。信雄は電話とメールしたが、幸世の云う通り、受信拒否されていた。確認の為、信雄は近くの交番に行ってみた。幸世の捜索願いが、建一から出されていた。信雄は金蔓(かねづる)を失った。
一方、建一は、村人と一緒に、必死に幸世を探したが、消息は掴め
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