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貴方の背中に、I LOVE YOU(後編)
貴方の背中に、I LOVE YOU(後編)
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た。ハーモニーとリベルが窓際に立つと、東京都内が一望でき、東京湾や、遠くは雪を被った富士山までも見えた。本社でも、ハーモニーの工場でのNGスピーチの噂は、既に広がっていて、社員の、ハーモニーを見る目には、親近感があった。久しぶりの平の出社に、取引先から「専務に会いたい」と、言う、依頼が殺到し、平は、本日の予定を、変更せざるを得なかった。止む無く、幹部社員に、ハーモニーとリベルのGIEMON(義衛門)ショップの案内役を任せた。まず、ステーションビルのGIEMON(義衛門)ショップに行き、店内に入った。男子店員が三人、忙しそうに動いていた。幹部社員を見ると、店員達が一斉に挨拶した。幹部社員が、ハーモニーとリベルを紹介した。男子店員の一人が、ハーモニーの美しさに、茫然(ぼうぜん)として見とれていた。ハーモニーとリベルは、男子店員と握手を、交わした。ステーションビルから、グリーン色の内回りの電車に、乗った。二つ目の駅で降り、大きな神社の鳥居を見た。壮大な神社に、二人は感銘を受けていたが、正月前で、神社内の人影は疎らだった。駅に戻り、先程とは逆の方向に、三人は歩いた。歩道は、若者で一杯だった。程なく歩くと、GIEMON(義衛門)ショップが在った。店は、若者の人集り(ひとだかり)が、出来ていた。三人は、店には入らず、表で店を眺めていた。店を後にして、元の駅に戻った。改札口を通り、ホームに降りた。ホームも、若者で溢れていた。幹部社員が「電車で、次の店に行きます」と、言った。日本に来て以来、英字の雑誌を見てないハーモニーに、キヨスクの英字の雑誌が、目に入った。彼女は、キヨスクで英字の雑誌を買った。ハーモニーが振り返ると、幹部社員とリベルの姿が、見えなかった。ホームに、グリーン色の、内回りの電車が停まっていた。発車のブザーが鳴り響いた。彼女は、慌てて電車に、飛び乗った。車内を見渡した。幹部社員とリベルの姿は、何処にも無かった。ハーモニーは不安に陥った。二三の駅を通り過ぎた。一方、ホームでは、幹部社員とリベルが、溢れた(あふれた)若者を掻き(かき)分けて、ハーモニーを探し回っていた。ハーモニーのバックの中の携帯電話が鳴った。電話の声は、同行している幹部社員だった。幹部社員が英語で「今、何処ですか?」と、言った。ハーモニーが「グリーンの電車に乗っています」と、英語で答えた。幹部社員が英語で「私達、未だ、ホームに居ます。その電車は、反対回りです」と、言った。この駅は、ホームが一つで、両側を、内回りと、外回りの電車とが、使用していた。彼女が英語で「如何すれば良いのですか?」と、訊ねた。幹部社員には、ハーモニーが内回りの電車で、何処まで進んでいるのか、把握出来なかった。少し考えて、幹部社員は英語で「その侭、乗り続けて下さい。一周して、元の駅に戻って来ますから。一周の所要時間は、私には判
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