暁 〜小説投稿サイト〜
貴方の背中に、I LOVE YOU(後編)
貴方の背中に、I LOVE YOU(後編)
[9/38]

[1] [9] 最後 最初
。平は、手記に書かれている土蔵が、この土蔵で或る事を説明し、昔の思い出を語った。ハーモニーとリベルは感慨深げに、土蔵の中を見ていた。外国人の幹部社員が、隣の留学生の寄宿舎に案内した。彼は、バングラディシュ人だった。彼は英語で、ハーモニーとリベルに「私も元、留学生です。専務に憬れて武井興業鰍ノ入社しました。今も、この寄宿舎に住んでいます。バングラディシュでは縫製産業が盛んです。将来は、専務に頼んで、バングラディシュに縫製工場を、造りたいと思っています」と、話した。ハーモニーとリベルは、このバングラディシュ人を何処かで見た様な気がした。暫く考えて、二人は思い出した。フィリピンのテレビで、GIEMON(義衛門)のコマーシャルに、出演している人物だ。リベルが「フィリピンで、テレビのコマーシャルに、出演していますね?」と、聞いた。バングラディシュ人は「はい、コマーシャルに出演しています。専務の方針で、当社ではコマーシャルに、ポップスターは使いません。日本のテレビのコマーシャルでも、全て、当社の社員が出演しています。但し、専務は、目立つのが嫌いで、自分自身ではテレビのコマーシャルには一切、出ません」と、笑って答えた。寄宿舎より十数人の留学生が出て来た。「専務、久しぶり。会いたかったよ」と、言い、各々、平に抱き付いて来て、中には、涙ぐむ留学生もいた。寄宿舎の食堂で、細やかな歓迎パーティーが開かれ、大学から下校して来た留学生も加わった。夕方、平達は安造の屋敷に戻った。辰之助も、既に帰宅していた。夕子が、すき焼きを作って待っていた。アキの姿が、見えない。心配して、夕子がアキの部屋に行った。部屋の鍵が、中から掛かっていて、夕子がノックしても、アキは返事をするだけで、出てこなかった。ハーモニーがノックしても、同様だった。仕方なく、皆は、アキ抜きで夕食を食べた。食べ始めて、リベルが「この料理、ナンバーワン美味しい。料理の名前は、何ですか?」と、聞いた。「日本料理の、すき焼きよ」と、夕子が答えた。リベルは「ブラボー」と、言い、夢中で食べていた。翌朝、バツが悪そうな顔で、アキが食堂に入ってきた。アキは、行く先々でリベルの人気が高いので、焼き餅を妬いて居たのだ。19
一時間後、平とハーモニーとリベルは、都内に在る、武井興業鰍フ本社に向かったが、アキは、ご機嫌斜めで同行しなかった。都内に向かうには、道路は、恒久的に渋滞するので、平は常時、私鉄を使っていた。本社は、高層ビルの18・19・20階に跨って(またがって)いた。ハーモニーとリベルは、フロアーの広さと、社員の人数に又しても驚いた。社員の中には、様々な国の人がいて、全員GIEMON(義衛門)ブランドを着用していた。社長室と応接室と会議室は在ったが、専務室は無かった。平は、社員とガラス張りの関係を保つ為、敢えて、専務室は設けない方針だっ
[1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ