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貴方の背中に、I LOVE YOU(後編)
貴方の背中に、I LOVE YOU(後編)
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く、市役所を早期退職して、義衛門時代の武井六郎専務の息子、安造社長に採用して貰ったそうだ。今は、役所時代の経験を生かし、工場従業員の福利厚生を、任されているそうだ。工場長の案内で工場内に入り、ハーモニーとリベルは、工場従業員数の多さに、圧倒され唖然とした。工場従業員は、久しぶりの専務の訪問に、浮足立っていた。平達は、工場のGIEMON(義衛門)ブランドの生産ラインを見て回った。ハーモニーは、工場従業員から、美人で、可愛いお嫁さんだと大好評だった。一方アキは、イケメンのリベルを、羨望の眼差しで見る女子従業員に、心穏やかでは無かった。昼休みに、大食堂の仮ステージで、三人は挨拶した。平の次に、ハーモニーの処に、マイクが回った。ハーモニーは辿々しい日本語で「私はハーモニー・F・田村(Harmony F Tamura )です。田村平(Taira Tamura)の妻です。宜しくお願いします」と、言った。大食堂から拍手の渦が沸いた。ハーモニーは日本語で続けた。「GIEMON(義衛門)は助平です。田村平(Taira Tamura)も助平です」と、彼女が言った。一瞬、大食堂が静まり変った。ハーモニーの背後にいた平が、慌ててマイクの電源を切り、ステージでハーモニーと話し合った。どうも、スキー場のホテルの大浴場に入った際、アキとの会話で「平の助平、大好き」と、言ったが、原因らしかった。ハーモニーは、日本語の助平と大好きを、同じ意味に解釈していた。ハーモニーがマイクに電源を入れ、日本語で「私は、日本語の助平と大好きを、間違いました。御免なさい。GIEMON(義衛門)は大好きです。田村平(Taira Tamura)も大好きです」と、苦笑いしながら言い直し、頭を下げて誤った。大食堂が大爆笑だった。リベルに、マイクが渡った途端、女子従業員から「キャー、リベル素敵」の、歓喜の声が、大食堂に響いた。ハーモニーの弟のリベル (Level)です。宜しく」と、自己紹介をした。アキは、女子従業員の歓喜の声を、気持ちばかり焦って聞いていた。
昼食を、工場従業員と一緒に大食堂で摂った後、この町に在る、武井興業鰍フ中枢機関の土蔵に向かった。数名の、GIEMON(義衛門)ブランドを着た幹部社員が、土蔵から出て来て「専務、お久しぶりです。お元気ですか?」と、言った。「元気だ!」と、平が答えた。幹部社員の中には、外国人も混じっていた。ハーモニーとリベルにも「初めまして」と、言い、握手を求めた。幹部社員の身振りは、ハーモニーと、初対面では無い様に思えた。ハーモニーの工場での、頓珍漢なNGスピーチの噂は、既に、工場だけでは収まらず、本社や支店までも波及し、沈静化に時間を要した。結果、ハーモニーのNGスピーチは、専務夫人と社員との距離感を、縮めていた。女性の幹部社員がリベルに「イケメンね」と、言い、アキが俯いていた
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