貴方の背中に、I LOVE YOU(後編)
[5/38]
[1]次 [9]前 最後 最初
見えない様に、客席だけはトランプのマークと数字が見える様に、リベルに指示した。リベルから、引いた一枚のトランプを、裏側の侭で返してもらい、残りのトランプと一緒にしてリベルに渡し、切る様に指示した。手品師は、リベルから、切ったトランプの束を、渡してもらい、リベルの引いた一枚のトランプを、当てた。次に、手品師は、リベルに「紙幣を一枚貸して下さい。三倍にします」と、言ったので、リベルは財布からフィリピン・ペソを一枚取り出した。手品師はフィリピン・ペソを見て「私、日本人。フィリピンのお金は、印刷出来ません」と、ジェスチャーを絡ませ言った。平が、財布から千円札を、一枚取り出し、舞台のリベルに渡した。手品師は、千円札を細かく折り曲げ、自分の手の平で握った。そして、自分の手の甲を、リベルの手で握らせた。それから静かに手品師は、自分の手の平を開いた。手の平には、千円札が切り刻んだ状態に、変わっていた。手品師は「御免なさい。失敗しました。お詫びに、今度は五倍にして返します」と、言って、再度、刻まれた千円札が残った侭、手の平を閉じた。1・2・3と言って、手品師が自分の手を開いた。そこには、細かく折り曲げられた五千円札が、有った。リベルは、キツネに騙された様に、首を傾げていた。宴会場から拍手が飛んだ。「お詫びの、印しです」と、手品師は言って、リベルに五千円札を渡した。リベルは、平に、五千円札を渡そうとしたが、平は受け取らず、リベルの財布に納める様に、言った。その後も、手品師の芸は続いた。その夜、平は、安造の鼾で、中々、寝付けなかった。深夜、ドアをノックする音が、聞こえた。ドアを開けると、ハーモニーが、ゆかた姿の泣き顔で立っていた。ハーモニーは「寂しいの」と、言って、平の布団に、潜り込んだ。平が布団に入り、周りに気付かれない様に、布団を被り、愛の交感をした。交わり終えると、ハーモニーは、平に抱き付いて、眠ってしまった。
翌朝、安造が目を覚ますと、ハーモニーが、平に抱き付いて寝ていた。安造は、ビックリした。一行はホテルの食堂で、バイキングの朝食を摂った。辰之助がフロントで、宿泊を一泊延長し、別に、平とハーモニーの部も、一部屋追加した。そして、ホテルの裏側に在る、スキー場のゲレンデに行った。ハーモニーとリベルは、銀世界の大きさに驚嘆した。一行は、手で握った雪を、相手構わず、投げ合いをした。安造も、童心に帰り、雪合戦に参加していた。平は、大学時代に運動サークルで、スキーを齧ったので、若干、スキーが出来たが、他の者は全員、スキーの素人だった。平がスキーを履いて、滑って見せた。皆が拍手した。ハーモニーが「上手いな。かっこ良い」と言い、平は自惚れ(うぬぼれ)、調子に乗り過ぎ、尻もちを付いた。全員、初心者用のリフトに乗り、ソリで何回も滑り降りた
[1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ