貴方の背中に、I LOVE YOU(後編)
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も歳だ。いずれ、蛍の家に移り住みたい。でも、可愛い平には、日本に帰って来て欲しい」と、胸の内を明かした。平は驚いた。今まで、安造が、自分の事を「可愛い」と、言ったのを、今まで、一度も聞いた事が無かった。親仁は、自分を子供同様に、考えていたのだ。と、痛感し、親仁も、歳を取ったなと、思った。平は「フィリピンでの基盤が確立したら、必ず帰る」と、約束した。夕方、夕子の夫の辰之助が、武井興業鰍ゥら帰宅し、「専務、お帰りなさい」と、言って食堂に入って来た。ハーモニーとリベルは、夕子とアキに、箸の使い方を教わっていた。久しぶりの大人数の食事に、安造は満面の笑みだった。食事が済んで、皆が、順に風呂に入り始めた。ハーモニーは、フィリピン同様に、平と一緒に風呂に入ると、考えていたが、平は、皆の目があるから、駄目だと諭した。暫くして、アキが居間に戻って来て「湯船の御湯が無い」と、言った。リベルの仕業だ。平は、リベルとハーモニーに「日本では、湯船は皆が温まる場所で、御湯流さない」と、教えた。暫くして、又、アキが戻って来て「湯船が石鹸で泡立っている」と、言った。今度は、ハーモニーの仕業だ。再度、平は、リベルとハーモニーに「日本では、体は洗い場で洗い、湯船では洗わない」と、教えた。「難しいね」と、ハーモニーとリベルが言った。その日、安造の家では、湯船に御湯を三回入れた。二人は、以前に、平が使用していた部屋に入った。ハーモニーは、探究する様な目で、部屋を見回した。平は押入れの中から、布団を取り出し、畳に敷いた。ハーモニーが「ベッドは無いの?」聞くと、平は「日本では、これがベッド」と、答えた。彼女が「面白いね。私のスモーキー・マウンテン時代に、小屋に敷いたマットレスと、同じだね」と、笑って言った。平が「日本は寒いから、風邪ひくよ。明日から、布団の中は、下着、付けて寝た方が良いよ」と、言った。ハーモニー「良いの?」と聞くと、平が「大丈夫」と答えた。ハーモニーが「安造親仁さん、怖い顔ね」と、言うと、平が「優しいよ。明日、親仁に、お父さんと言って、ご覧。喜ぶから」と、言った。二人は布団に入り、日本での最初の愛の交歓をした。交わり終えた平は、何時も通り、ハーモニーの乳房と腕に、キスマークを付けた。彼女が「良かった?」と、聞くと「良かった」と、平が答え「おやすみ」と、言った。ハーモニーも「おやすみ」と、言い、平に抱き付き、二人は眠りに入った。
翌日の朝、安造の家族と、平とハーモニーとリベルで、合祀の墓に向かった。全員、GIEMON(義衛門)ブランドの防寒具衣服だった。八人乗りのワンボックスカーを、辰之助が運転し、助手席に夕子、中央の席に安造と平、後部席にハーモニー・アキ・リベルが座った。ハーモニーが、安造に「お父さん、お早うございます」と、日本語で言った。安造は、突然のハーモニーの「お父さん?」の
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