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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第九十七話 帝国高等弁務官
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艦隊壊滅の責任の一端はあの男にあるのだからな。いい薬になったろう。いや懲りるような男ではないか……。

それにしても、オーディンからの連絡の通りになった。リヒテンラーデ侯から聞いたときには半信半疑だったが、こうも的確に当てるとは……。

エーリッヒ・ヴァレンシュタイン宇宙艦隊司令長官か……。とてつもない男だな。オーディンからこの私を操り、ルビンスキーを混乱させるか。

悪くないな、操り人形になるのも悪くない。これ程上手に操ってくれるのなら。まるで自分が別の人間になったようだ。全く、楽しませてくれる。もう少し酒が欲しいな。ブランデーでも飲むか?

いかん、どうも思考が彼方此方に飛ぶ。エーリッヒ・ヴァレンシュタインか……。初の平民出身の宇宙艦隊司令長官。貴族出身の私には嬉しい人事ではないが、確かに切れる。リヒテンラーデ侯が頼りにするのも分る。

平民か……。貴族だけが力を振るう時代は終わりつつあるのかもしれん。大体このフェザーンには貴族はいない。それでもオーディンよりはるかに活気がある。貴族が力を失う時代が、平民が力を振るう時代が来るのかもしれない。

これからはフェザーン、同盟の動きだけではなく帝国の動きも見つめるべきかも知れない。帝国が何処へ行こうとしているのか、私は何処へ行くべきなのか……。おかしいな、今晩は妙な事ばかり考える、少し酒が過ぎたか? しかし、悪くない、たまにはこんな夜も悪くない……。




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