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深夜、猫カフェで
深夜、猫カフェで
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うなんですかね。そうならいいんですが…。
 つきみはねぇ、他の猫の面倒もよくみてくれて助かります。
 新入りの猫がやってくると率先して遊んでくれたり、
 先輩猫に威嚇されると、仲裁に入って護衛までしてくれるんですよ。」
「ホントにいい猫ちゃんですねぇ! つきみちゃん。」
紗英はつきみの黒い艶やかな背中にしみじみと畏敬の眼差しを送った。
そして、店長とつきみの情の深さに心を打たれた。
動物と人間が種を超越して、これほどまでに支え合えるものなのかと。

今の話しを母にも聞かせてやりたいと、紗英はつくづく思った。
実家にも最近まで野良猫が2匹いた。
家族で餌を与えているうちに、いつしか住み着いたのだ。
ところが、外にも自由に行き来させていたため、
大事にしていた庭が2匹に荒らされた。
怒り狂った母はすぐさま獣医を呼び、2匹とも安楽死させてしまったのだ。
それなら外に出さなければいいだけの話しなのに…。
今思い出しても母の暴挙がどうしても許せない。
「私も猫が大好きなんですけど、うちは母がダメで…。」
「それなら、時々ここにきて、お気に入りの猫を可愛がってやってください。
 お宅で飼ってるつもりで。なんなら、ジャバみたいに
 お客さん好みのあだ名で呼んでもらってもかまいませんよ。」
「ほんとですか?」
「僕も独身で今のアパートは狭いから、ここで猫を飼ってるようなもんです。」
「そういえばここって、我が家にいるみたいで居心地がいいですね。
 知らない人が周りに居ても、部屋が薄暗いから全然気にならないし、
 人懐こい猫たちに囲まれて、すごくリラックスできます。」
「それはなによりです。
 僕も、お客さんが自宅でくつろぐように過ごしてほしくて
 この店を作ったんです。毎日通うのは難しいかもしれませんが、
 ここが恋しくなったらいつでも帰ってきてください。」
「ええ、そうします。あのう、この店って、いつからやってるんですか?」
「2年前からです。もともとここはネットカフェだったんですよ。」
「やっぱり! そうですよね? ここ前はネカフェでしたよねぇ。」
「猫好きが高じて、“ネカフェ”に“コ”が付きました。」
「うまいっ。ってか、ネコカフェってネカフェをもじってるのかな。」
「うちなんか自販機も深夜営業もネカフェそのままですからね。
 前からカフェに猫がいたらいいなぁって、漠然と思ってはいたんです。
 そしたら猫カフェがブームになりだして、僕もあちこち巡ったもんです。
 そのうち、色々な改善点に気がついて、
 僕だけの理想の猫カフェを作りたくなったんですよ。
 うちは抱っこも禁止してませんし、ほとんど制限を設けてません。
 猫カフェの深夜営業もうちが初めてかもしれませんね。」
「ふーん。で、開
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