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=戦闘訓練編= イショウセレクト
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、ヒーローとして間違ったことしてねぇって胸張って言える……それじゃダメか?」

 俺が注文したテーザーワイヤーガンや十手、腰のベルトに仕込んだグレネード類、そして周囲と比べれば少々過剰なプロテクター。こいつらが弱い俺を補強してくれれば、生身の俺より格段にやれることが多くなる。勿論生身も想定して多少は格闘技も試してるけど、とにかく大事なのは人を守ることだ。
 未来のデクくんだけじゃない。俺だってヒーロー目指してるんだから、辛い思いしてる奴を助けるためにこういう所で変な意地を張りたくないのだ。

 と、話を静観していたオールマイトが口を開いた。

「確かにヒーローは人気商売だが、人気を求め過ぎて思考が凝り固まれば本末転倒!水落石少年のように格好よさより堅実さを取るヒーローも意外と少なくないんだぜ!無論武器の程度にもよるが、先生は全然アリだと思う!」
「オールマイト先生……」
「中には知名度の低さを逆手にとって自分の情報を隠匿し、平均的なヒーローより高い検挙率を維持する職人肌もいる……それは決して情けないことではないさ!!」

 流石というか、オールマイトの言葉はその一つ一つに力強い説得力がある気がする。長年ヒーロー世界を支えてきたスーパーヒーローのお墨付きをいただいたとなれば、正直俺も満更でもないので少し照れてしまう。

「……水落石!俺はオメェを誤解してたぜ。オメェも心の底はアツい奴なんだな!コイツは友情と謝罪の握手だ!」
「お、おう……」

 なにか思う所があったのか、切島は感銘を受けた顔で俺の腕をガッシリ掴んだ。奥の方では更に感銘を受けている飯田がとても個性的すぎて文章に表しきれない手の動きをしている。周囲の視線も妙に暖かいものになって何となく気まずいが、結果オーライということにしておこう。

(まぁ、イザと言う時の事ってのも割と心に刺さったフレーズではあるけどな)

 ヒーローは一芸だけでは務まらない、とは相澤先生の言。道具がないと弱いだけ、では確かにお話にならない。タフネスなしに務まるヒーローなど少数だろう。とにかく話の終わって解放された俺は、そんな課題を抱えつつも自然と顔見知りの方へ移動していた。そう、常闇と葉隠だ。

「災難だったな」
「いや、別に……それより常闇のコスチュームは黒マントなんだな。熱くねーの?」
「通気性は問題ない。それに、多少熱かろうとこちらの方が『黒影(ダークシャドウ)』が過ごしやすいのでな……」
『居心地イーゾ!!』
「ははっ、そらぁ何よりだ!」
(なんかペットみたいで可愛い……)

 マントの隙間から常闇の個性、『黒影』が顔を覗かせた。葉隠以下数名の周囲の人物も似たようなことを考えている。顔は少々厳ついが、喋り方はなんとも愛嬌のある奴だ。
 こいつは個性なのに本人か
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