暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第234話 剣の聖域
[8/10]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
には届いていなかった。
「(凄い……。これは、ただ速い、それだけじゃない。……純粋な速さなら――ユウの方が上、だって思う。……ユウと戦ったあの人も)」
ランは、右手で剣を構え、空いた左手で ぐっ、と頬を拭った。
緊張感も忠実にトレースしている故に、頬に汗が伝っていたのだ。
「(全部、見えている。いや、読んでいる。……何手先も。なら、少し冷静にならないと。……ここは引いて―――っ!!)」
ランは、また――声が頭に静かに、そして はっきりと響いた。
声は、1つだけじゃなかった。
『ふふっ、どんな勝負でも、二手、三手先を読まないとダメって事だね。ユウキもそうだけど、ランさんも とっても素直な性格だからかな? とっても読みやすいよ。――でも、それでも、2人の速さはずるい、って思うけどね?』
『むむ――っ 負けないですよ!』
『あはははっ。こっちこそだよっ!』
紛れもなく、それは自分の記憶。なぜ、このタイミングで聞こえてくるのか判らなかったが、それでも、この中でも一際強く聞こえるのは。
『ランさんは とても強いですよ。――とっても』
その言葉があって……、ランの中で《引く》と言った逃げる様な選択肢は消えた。
彼女の言葉を訊いて、ユウキとランは、色々と試行錯誤していた。
考えるよりも動くユウキには難しかったのだろうか、頭を抱えて唸っていたのも記憶に新しかった。だけど、それはどれも良い思い出。
輝ける日の――思い出。
「(傍で――、今も、……いつも、
一緒
(
・・
)
に戦ってくれてる。だから、私は、私達はもっともっと強くなれる。ここで引いたら――笑われちゃう、よね)」
『っ……』
ランは―― 一瞬だけ、見守ってくれているユウキの姿を見た。軽く笑みを見せた後、ゆっくりと姿勢を変えた。
両足を左右に開いて、左右のどちら側にでも素早く動ける様にしていたスタンスから、足を前後にし、そして やや前傾姿勢をとった。……ランは、相手の強さを目の当たりにして、防御態勢、回避優先にしていたが、変えた。
――決して逃げない。
そう決めた。その強い意志は視ただけでよく判る。
「(……気合を入れ直した。
眼
(
・
)
に、力が更に宿った。…………随分と熱烈な視線を向けられたものだな。……こちらは最初から余裕なんて、微塵もないんだが)」
彼女の。――
剣聖
(
ラン
)
の意志を感じて、思わず笑ってしまうのはリュウキだった。
《絶剣》と《剣聖》
その強さに関しては、何度も訊いていた。事情がありALOに来られない事が最近では多かったが、それでも その強さ故に、何度となく訊いた。
そして、直に接して、確信した。
この世界ででも、何度
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ