暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第234話 剣の聖域
[4/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
騰させるのには申し分のない程の熱源だった。

『うおおおおおっっ!!』

 静寂だった場は一転し、一気に歓声の渦に包まれる。

『全く見えなかった!! 何だあれ!! 天災か!?』
『やっぱすげぇ!! はんぱねぇ!!』
『2人ともやばいわ! 大会の決勝とかより全然すげぇ!!』

 指笛を鳴らし、歓声と共に拳を上げて、場を盛り上げる。
 一瞬で熱気が渦巻く程、魅せる戦いだった。だが勿論、それだけではなかった。2人の戦いを見て、歓声ではなく、やはり驚愕する者達も当然ながらいた。それは今、相対している男……リュウキの事をよく知っているいつものメンバーだった。

「ありゃ〜…………、うん。まぁ あたしじゃ確かに無理だわ……、2人の動き、正直ぜーんぜん、見えなかったもん……。お手上げ〜ってね……」

 殆ど呆然としつつ、そうぼやいてしまっていたのはリズである。この場で数少ない剣聖と絶剣、その2人と剣を交えた事があるからこそ、改めて強く思ったのだ。自分の時の実力とは、比べものにならない程の戦いが、繰り広げられている現実? を目の当たりにしたから。

「ぅぅ……気付くの、遅すぎです……。(でも……やっぱり、リュウキさん……すごい……)」

 思い出してしまっているのだろう、シリカは 大きな耳を伏せてしまっていた。
 リズと同じく、立ち会っているから、思い出してしまっても仕方がないだろう。だが、その苦い記憶を思い出しつつも、魅入ってしまうのは やはり リュウキの姿だった。キリトが敗れてしまった事実を踏まえての戦いだから、どこか普段以上に力強さが増している感覚もあった。
 確かに剣聖(ラン)の力は目の当たりにしているし、実感もしている……が、それ以上に見続けてきたのが、リュウキだったから。
 
「う〜……、あらためて……ショック、かも……。こんなの、ほんとに初めてだよ……」

 リーファはリズの様に、驚愕しつつ シリカの様に戦った時の事、得意分野である空中戦で敗れた事を思い返していた。ユウキとの闘いだったが、ランも同等の実力を持っている事は、これまでの戦い……現在の戦いを見ても十分過ぎる程判ったから。つまり、空中戦をしたとしても、歯が立たなさそう、と 早々に白旗を自分の中で上げてしまった事が、悔しさに拍車をかけてしまっていた様だ。

「…………」

 その更に隣に、リュウキの姿を、そして それ以上にランの姿をじっと見つめ続けているのはシノン。
 あの銃弾が雨霰の様に降り注ぐ世界から参戦した事もあって、シノンは動体視力は凄まじい、と言っていい。その一言に尽きる程のものだった。だからこそ、戦闘の速度に早く慣れる、順応する速さ、それらはここにいるメンバーの誰にも決して遅れをとらない。
 だが、シノンは『接近していれば、見
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ