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異世界系暗殺者
挫折の時間
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【視点:樹】



パーツ・ウォウBクラス:ディスクを始めて早40分。漸く1セット目が終了した訳なんだが―――


「クソッ!!」


1セット目を俺達――初代王組が取ったにも拘らず、カルマは荒れていた。当然、その理由も分かっている。1セットの間に4回も王候補組にタッチダウンされたのが原因だ。

いや、正確には4回中2回のタッチダウンが原因と言うべきか。実はその2回、タッチダウンをしたのが渚だったんだ。しかも、カルマは自分がキーパーの時にディスクを奪われ、タッチダウンされている。

俺から言わせてみれば、影技(シャドウ)を発現できた時点で渚がカルマからディスクを奪い、タッチダウンをできたとしてもおかしくは無い。渚の本質を知っているから、猶更そう思える。

E組のほぼ全員が渚の本質を小動物だと思っているだろう。しかし、実際の渚の本質は小動物ではなく発現した影技(シャドウ)の様な捕食者なんだ。

まず、持って生まれた才能が類稀な暗殺者の才能って時点で小動物はない。完全に捕食する側の才能な上、ただの捕食者じゃなく雌猫の皮を被った炎蛇とか、性質が悪過ぎるだろう。

ちなみに暗殺旅行前に会ったロヴロさん曰く、渚はこのまま暗殺者として育成すれば、10年後には世界でも5本の指に入る暗殺者に育つ。それ程の才能の持ち主、だそうだ。

そんな渚の本質を完全に把握しているのは、恐らくE組内で俺と殺センセーの2人だけ。外部の人間ではロヴロさんだけだ。烏間先生とカルマ辺りは何か感付いてそうだが、それでも朧げといった所だろう。

そう。E組内で渚との付き合いが一番古いということもあって、カルマも朧げながら渚の本質に感付いていた。なのに、カルマはクラスメイトのほぼ全員と同じく渚のことを小動物――しかも、雌扱いだった。

恐らく、自分が渚から感じ取ったものを気のせいと思い続けてきたんだろう。もし、カルマが自分の感じ取ったもの――渚の隠れた才能を否定していなければ、今回の2回ものディスク奪取&タッチダウンは防げたかもしれない。

カルマ自身、そういった考えに至ったからこそ自分に苛立ち、柄にもなく荒れているんだろう。


「おい、カルマ。少し落ち着けよ。1セット目は俺達が取ったんだぞ」
「……落ち着け?何言ってんの、前原。俺は十分落ち着いてるよ」
「誰がどう見ても落ち着いてねぇだろうが。まぁ、普段から見縊ってる相手に寝首掻かれれば、荒れもするわな」
「……ケンカ売ってんの、イッキ?渚君の前に狩られたい訳?」
「狩る?今のお前が俺を?やれもしないことを口にするなよ。弱く見えるぞ」
「……へぇ〜、流石は空の王様だね。推定(バトル)LV200超えの相手でも余裕で勝つつもりなんだ。……イッキ、色々と才能あるから
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