第十三話 人間だからその十一
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「それどころかね」
「黒の時代だったんだな」
「暫くね、けれど徐々に他の色も使えるようになって」
「今はか」
「うん、龍馬に話してからは特に」
「部活の絵も変わったんだな」
「そうなったよ」
実際にというのだ。
「そうなってきたよ」
「俺に話して本当に変わったんだな」
「龍馬に言って」
そしてとだ、優花はその牛丼を食べながら彼に話した。
「それでどうなるか不安で」
「その不安が終わってか」
「龍馬が今みたいに横にいてくれるから」
「気が楽になってか」
「絵も変わったよ」
そうなったというのだ。
「明るくなってきたってね」
「自分も思うんだな」
「うん、いい感じでね」
「それは何よりだな」
「明るいことに越したことはないよね」
「そうだよな」
龍馬は卵を混ぜたその牛丼を食べつつ優花の言葉に応えた、そしてそのうえで優花に対して微笑んで言った。
「暗いよりもな」
「無理しても笑えって」
「そうしたこと言う人もいるな」
「苦しい時こそって」
「ああ、けれどそれってな」
暗い状況でも笑う、その行為については。
龍馬は難しい顔でだ、優花にこう言った。
「難しいよな」
「凄くね」
「それが出来たらな」
それこそというのだ。
「苦労しないっていうかな」
「強いよね」
「そういうこと出来る人ってな」
「うん、強いよ」
優花も言った。
「無理して出来ることじゃないよ」
「そうそうな」
「そうだよ、本当に」
「作り笑いは俺は好きじゃないが」
それでもというのだ。
「暗い時こそ笑え」
「それが出来たら」
「本当に強いな」
「僕出来なかったよ」
「俺もな」
龍馬もだった、そのことは。
「無理だな」
「そうだね、けれどね」
優花はここでまた言った。
「僕今は笑えるよ」
「無理して笑うことは無理でもか」
「笑えたらね」
その時はというのだ。
「笑うよ」
「それがいいな」
「そこからさらに明るくなれるし」
「それはその通りだな」
「笑ったら明るくなれるよ」
実際にというのだ。
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