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Blue Rose
第十三話 人間だからその八

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「そのことは」
「はい、それでは」
「それも普通の保養地ではなく」
「特に静かな」
「弟さんにはそこに入ってもらい」
「難をですね」
「逃れるべきかと、その場所はです」
 また院長が話した。
「長崎の方の海の近くにある」
「そうした保養地ですか」
「旅館があります」
 その保養地にというのだ。
「そこで暫く静かに過ごされれば」
「そして完全に女の子になれば」
「それからはです」
 さらにだった、院長は優子に話した。
「女の子として」
「弟は生きるのですね」
「完全に」
「そうですか、では私の妹として」
「そうです」
 まさにという返事だった。
「弟さんはこれからの人生を歩まれます」
「そうなるのですね」
「その時はどうされますか」 
 ここで院長は優子に問うた。
「弟さんが保養地で女の子になられた後は」
「はい、またです」
「お二人で、ですか」
「過ごしたいです」
 素直にだ、優子は自分の望みを言葉として出した。
「あの子が巣立つまでと決めていますから」
「社会に出られるまでですね」
「そうです」
「だからですか」
「はい、弟が一人で発つまで」
「それでは学園にもですね」
「休学ですね」
 優子は院長が言ったこのことを自分も言った。
「そうですね」
「はい、そうです」
「それならです」
「弟さんが女性になられても」
「はい」
 まさにという返事だった。
「私はあの子と一緒にいたいです」
「そうですか、では」
「その時はですね」
「学園の理事会に事情をお話します」
「院長先生からですか」
「理事長もです」
 八条学園の総責任者である彼はというと。
「八条家の人です」
「院長先生のでしたね」
「私の従兄です」
 微笑んでの言葉だった。
「信頼出来る者です」
「だからですか」
「はい、彼に私から話をしてです」
「事務のことはですね」
「済ませておきます、お役所にもです」
 そちらにもというのだ。
「事情をお話してです」
「個人情報はですね」
「守ってもらいます」
「そうして頂けますか」
「弟さんは休学中に転校されたということにして」
「そして女の子として」
「編入したとです」
 その様にというのだ。
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