第17話(1章終了)
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その場から去って行った。
「はあ………まさかたったあれだけの言葉で私の正体に勘づくなんて………本当に恐ろしい子…………でも、よかった………黙ってもらう条件が大した事なくて………」
一方その頃劇場の前に到着したリーシャは疲れた表情で溜息を吐いて身体を震わせた後、安堵の表情になった。
「早いわね、リーシャ。」
するとその時イリアがリーシャに近づいてきた。
「イリアさん……」
「なに、そんなに午後の稽古が楽しみだったの?あたしもいいかげん舞台バカではあるけれど………あんたも十分、素質あるんじゃないかしら?」
「あはは、そんな………イリアさんの域まで達する自信なんてとても………」
イリアに微笑まれたリーシャは苦笑しながら答えた。
「ふふ、そんなこと言ってプレ公演じゃノリノリだったくせに。良かったわよ、あんたの演技。ようやくあたしのライバルの卵くらいにはなってくれたわね。」
「イリアさん……もしそうだとしたら全部、イリアさんのおかげです。受け継いだ道しか知らなかった私に光を示してくれた貴女の……ふふ、それと今回は彼らにも感謝した方がいいかな。」
「へ………」
「ふふっ、何でもないです。今日の稽古は、第三幕の完成度を上げていくんですよね?私、頑張ってお付き合いします。」
「お、やる気満々じゃないの。うーん、あたしもマジで負けてられないわね〜。よーし、来月の本公演までに今の百倍は良くしていくわよ〜!付いてきなさい、リーシャ!」
「はい、イリアさん………!」
そして笑顔のイリアの言葉に笑顔で頷いたリーシャはイリアと共に劇場の中へと入って行った―――――
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