第17話(1章終了)
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子を纏って呟いた。
〜住宅街・マクダエル家〜
「そ、そんな………明日から復帰するなんてそんなの早すぎます………!」
一方その頃休暇をとって実家でマクダエル市長の看病や手伝いをしていたエリィはマクダエル市長のある言葉を聞いて心配そうな表情でマクダエル市長を見つめた。
「なに、レン君のお陰で元々傷一つも負わなかったのだ。5日も休んでしまってむしろ英気が養えたくらいだよ。」
心配そうな表情で見つめるエリィにマクダエル市長は微笑みながら答えた。
「じょ、冗談言わないでください!あれほどの事があって第一秘書がいなくなって………今はゆっくりとお休みになるべきです!」
「創立記念祭も近い。仕事は山のようにあるからね。この程度のことで市長としての役割を放棄できんさ。」
「この程度のことって……………おじいさまは………辛く………悔しくないんですか?あれだけ目をかけていたアーネストさんに裏切られて………それなのに、どうして………」
マクダエル市長の答えを聞いたエリィは信じられない様子で溜息を吐いた後、辛そうな表情で尋ねた。
「………今回のことがショックで無かったといえば嘘になる。聞けば、随分前から事務所の資金を使い込んでいたようだ。それで精神的に追い詰められ、暴走してしまったのかもしれない。その意味では、気付いてやれなかった私の責任でもあると思っている。」
「…………おじいさま………」
「―――だが、私は政治家だ。この身をクロスベル自治州の現在と未来のために奉げると誓った。如何なることがあろうと職務を全うする以外の選択はない。そう、自分に課しているのだよ。」
「……………………」
決意の表情で語るマクダエル市長をエリィは黙って見つめ続けていた。
「すまない、エリィ。10年前も私は………ライアン君を、お前の父さんを引き止めてやれなかった。そしてそして娘も………お前の母さんも去るがままにしてしまった。そして相変わらず……無力だが必要ではあるクロスベル市長を続けている。さぞ……恨んでいる事だろう。」
「そんな………!おじいさまは私の誇りです!お父様や、お母様とはたまに連絡はしていますし………哀しかったけど……きちんと乗り越えています。」
「エリィ………」
「元々私が警察に入ったのは………別の形で、おじいさまの手伝いがしたかったからです。それが、クロスベルのためにもなると信じていたから………でも、こんな事になってアーネストさんが居なくなって……私、やっぱり警察を辞めておじいさまの手伝いを―――」
静かな表情で語ったエリィは祖父の為に警察を辞めようと決意したが
「馬鹿な事を言っちゃいかん!」
「お、おじいさま………?」
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