暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
雨夜-レイニーナイト-part5/裏切りの代償
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す。
そう、今の炎を放ったのは他ならぬリッシュモンだった。たかが平民ごときの剣に、自分の自慢の魔法の炎が吸収されたという予想もしなかった事態に動揺した。
(まさか、これもウルトラマンとしての能力なのか…!?)
サイトがレコンキスタからの情報でウルトラマンの変身者であることを知っていたリッシュモンは、それがその要素と関係があると予想した。実際には違うが…。
「り、リッシュモン様…!?」
ミシェルは、アニエスに押し返そうとしていた剣を下して、主とあがめている男の方を振り返る。奴は、明らかに杖をこちらに向けていた。
「ミシェルさん、あなたの言った通りだ…」
サイトは顔を上げながら、リッシュモンの姿を見る。
「腐った貴族がこの国の上層部を占めている。でも…」
もう自分たちの目は誤魔化せない。この男についてはすべてアニエスが言っていた通りだ。
「そのうちの一人には、この糞爺も混ざっていたんだな」
隙だらけとなった邪魔者、アニエスを…こともあろうか自分の部下もろとも消し炭にしようとしたのだから。
「…ばれてしまっては仕方ないな」
「!?」
自分に向けて、開き直ったかのようにも取れる態度で、下卑た笑みを浮かべながらリッシュモンは告白した。
「そう、あの小娘の言うとおり、20年前のダングルテールをとある1部隊に命令して焼却処分させたのも、ミシェルの父に無実の罪をかぶせ家を取り潰したのもこのわしだ」
それを聞いた瞬間、ミシェルの中で何かがガラスのように破壊され、彼女はその場で膝を付いた。
ずっと信じてきた。幼い頃、家を取り潰されて以来流浪の生活を送ってきたミシェル。あらゆる犯罪を冒してでも命をつないできた。だがそんな生活に人間が耐えきれるはずもなく、ミシェルは心身ともに疲弊し限界に達する。その矢先のこと、彼女はリッシュモンに出会った。
『父と母の無念を晴らしたくはないか?』
その一言からだった。父と母と殺し、自分の幸せを奪ったトリステインへの報復と、自分を孤独と貧困の淵から救ってくれたリッシュモンへの恩返しのための人生が始まった。
あの方のために命を懸け、トリステインを再誕させるための活動を開始した。
一度腐った国は一気に掃除をしなければならない。
リッシュモンは、圧倒的力で今のトリステインを叩き潰すことで、新たなトリステインを誕生させ、その王となる。それにより今まで貴族の権力争いで苦しんできた者たちを二度と生み出すことがない国となる。そのために、リッシュモンはレコンキスタと内通し、奴らの側にいる商人から強力な怪獣を買った。その力で一気にトリステイン王家を潰す。
ミシェルはリッシュモンのためにずっと戦い続けてきた。親を奪った国を破壊し、トリステインを本来のあるべき姿とするために生き続けてきた。
だが……
「所詮、位を落とされた
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