暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
雨夜-レイニーナイト-part5/裏切りの代償
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れば、その分だけ使用者の寿命が縮まる危険があるのだ。
それに、ここにはアニエスがいる。彼女ほどの抜け目ない戦士が、サイトが超能力を使えば怪しむに違いない。
グレンも雨の中という悪条件のせいでゾアムルチに圧倒され、ゴモラもヤナカーギーとの戦闘で勝利こそしたが満身創痍。
『いや、でもこの手しかないなら…!』
やるしかない。ここで自分たちは倒れるわけにいかないのだ。
『わかった。やるぜ、サイト!』
意を決し、ウルトラ念力による逆転を試みたサイトとゼロ。

だが、その時だった。

一つの人影がサイトとアニエスを通り越し、リッシュモンに向かっていった。
「ミシェル!?」「ミシェルさん!?」
その人影はミシェルだった。
「うああああああああああああああああ!!!」
驚く三人をよそに、ミシェルはリッシュモンに向かって突進する。その手に、剣を握って。
「ぬ、貴様!?」
予想外にもミシェルが現れ、こちらに全速力で向かってくるミシェル。銃士隊の多いんとしても鍛えられたために、ずっと胡坐をかき続けていたリッシュモンにとって彼女の速度はすさまじく速く見えた。
真実を告げられ、今度こそ自分を憎むか。リッシュモンは杖をふるうと、業火の炎を燃え上がらせてミシェルにその炎を差し向けた。ミシェルの体が炎に包まれていく。だがリッシュモンはそこで魔法を終わらせなかった。何せ今は雨。炎の魔法の威力が限定される。次に彼が放ったのは風魔法『エア・カッター』。切り裂く風の刃が彼女の体を切りつけていく。彼女の服のあちこちが切れていき、彼女もまた傷だらけになっていく。
「ミシェルさん!」
このままではミシェルが危ない。サイトはデルフを握り直し、彼女の援護に回ることにした。彼女の傍でデルフを振り回し、リッシュモンの魔法を吸収しようとするが、突然ミシェルがサイトを殴り飛ばしてしまう。
「ぐあ!」
「サイト!」
アニエスが水たまりだらけの地面に転がされるサイトを受け止める。一方でミシェルはリッシュモンへと向かい続ける。そして、走り抜けた果てにリッシュモンの眼前にまでたどり着いた。
「この役立たずの人形風情が!わしに逆らうな!!」
リッシュモンは、これまで重用してきた配下であるミシェルのことを完全に見限り、魔法で彼女の殺害を図る。風魔法が彼女の体を切り傷まみれに変え、彼女の体からは大量の出血が流れ落ち、雨と共に町の地面にしみ込んでいく。だが、ミシェルは自分の体の傷を顧みずにリッシュモンの胸ぐらをつかむ。
その時の、リッシュモンに向けていた彼女の視線は……まるで一つのブラックホールのような底の見えない深淵を孕んでいた。それを見たリッシュモンは恐怖した。
「え、ええい!よるな!!汚らわしい!!」
恐怖に駆られ、リッシュモンは杖の先を彼女に向けて…


ドスッ!
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