十六話
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のだ。発信器の一つや二つ、持ちだしてきても不思議ではない。だが、さすがにそんな常識はずれなことはしないだろうと、ネギは信じたかった。が、朝倉は刹那の鞄にGPS携帯を放りこんでいた。発信器より聞こえがいいが、位置を特定できる事には変わりない。
「夜になったら、彼女達には眠っていてもらいましょう」
「ええ、そうですね」
そんな裏の事情を知る筈もない生徒達、とりわけネギ等三人を追ってきたメンバーである明日菜、朝倉、ハルナ、のどか、夕映の五人は巫女さん達に早い夕食をふるまわれていた。まだ、時刻は五時を回った所。空腹感が出るのはもう少し後なのだがふるまわれる料理はどれも一級品。彼女達の箸は止まることなく動いている。
「いやー、先生に怒られた時はどうなることかと思ったけど。そんなものはふっとぶね!」
「確かに、どれも素晴らしい味です」
「アンタ等はいいわよね……」
ネギ達に追いついた後、GPS携帯のネタばらしをした所で彼女達はネギに盛大に怒られた。全員が頭頂部に容赦なく拳骨を貰い、当時は全員頭を抱えて屈みこんだものだ。その中でも主犯である朝倉に放たれた拳骨は強力で、そのあとが瘤となって残され、今も朝倉は巫女さんに用意してもらったビニール袋に入った氷水をタオル越しに頭にあてて冷やしている。
「お父様と先生、どこいったんやろ?」
「あ、これ美味しい」
そんな中、木乃香だけ箸が進んでいなかった。確か、ここに来たのは三者面談のためではなかったのだろうか? だと言うのに教師と父親は早々に二人だけで奥へと消えていき、気がつけば幼馴染の姿もない。そのことが、木乃香は何故か妙に気になっていた。
「ああ、頼む」
クラスメイトが起こす喧騒の中から抜け出した刹那はとある人物に連絡を取っていた。現時点における戦力の増加。それを済ましておく必要があったのだ。白状してしまえば、後二人ほど戦力として見込める人物がいる。だが、その二人は一応一般人として扱われている以上安易に頼る事はできない。
「長、先生」
電話を切った後も、しばらくその場で佇んでいると奥からネギと詠春が現れた。この後どう動くのか、大体の方針が定まったのだろう。
「刹那、真名との連絡はどうだ」
「終えています。ただ、まだ明るく班員にも捕まっているため抜け出すのはしばらく先。とのことです。それで……」
「……このかに、全てを伝えることにしました」
「そう、ですか」
このまま無事に終わるとしても終わらないとしても、伝えておく必要がある。一度木乃香を目的とした襲撃が起きた以上、成功するかはともかく襲撃自体は可能だと考える勢力が出てくる可能性がある。もう、黙っておくわけにはいかないのだ。
「刹那君、君が悔やむ必
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