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本気で挑むダンジョン攻略記
Chapter U:Xenogenesis
第06話:Unlucky Encounter
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.』( ̄▽ ̄)ニヤリ

 しかし、そんな中一人だけ妙に様子がおかしいエレオノーレ。
 他の四人がどうしたのかと勘繰る中、リザが真相に辿り着きエレオノーレをニヤニヤとした目つきで見始めた。

『何だ、ブレンナー』
『いや〜、乙女ね。エレオノーレ。』
『なっ...』
『ははーん、なるほどぉ。』

 そして、ルサルカもそれに気づきエレオノーレとラインハルトをここぞばかりに交互に見る。

『『乙女ね』』
『黙れ貴様らぁ!!』

 こういった方面(・・・・・・・)では急激に煽り耐性が低く成るエレオノーレはすぐさま沸点に到達するも、リザとルサルカは止まらない。

「ハイドリヒ卿。つまり今後は名前呼びをするという事でよろしいのですか?」
「ああ、そうなるなバビロ...いや、リザよ。」
「おおー!ハイドリヒ卿、私は?私は?」
「ふむ。ルサルカと呼ばせて貰おう」
「へえ。ハイドリヒ卿、俺は今まで通りベイと呼んでくだせえ」
「構わんぞベイ。」
「ハイドリヒ卿、僕もシュライバーが良いな」
「良かろう。今まで通りシュライバーと。」

 他の団員たちが着々とラインハルトから名前を呼ばれていき、遂にはエレオノーレを残すのみとなる。
 ラインハルトの背に隠れてニヤニヤとしているリザとルサルカに対して今まで一番の怒りが湧く。叶うならば、『灼熱世界・激痛の剣(ムスペルヘイム・レーヴァテイン)』をぶち込みたい程である。
 しかし、ラインハルトがいるため粗相は出来ない。
 羞恥心と自尊心の狭間で葛藤するエレオノーレを他所に――むしろ空気を読んだとも言える――ラインハルトはエレオノーレの側まで近づき、彼女の肩に手を乗せ――


「エレオノーレよ。卿の頑張りに今まで以上に期待しているぞ。」

「j、Jawohl(ヤヴォ―ル)!!」


 ラインハルトの部下となってから半世紀。
 初めてラインハルトから名前で呼ばれた今日この日が、エレオノーレの密かな記念日になったとかならなかったとか。


「そこになおれバカ共が!!」
「ちょっ、エレオノーレ!流石にシュマイザーは洒落にならな――」

 後日、本拠地(ホーム)に損壊を与えないレベルで(照れ隠しとして)キレたエレオノーレと、カインを出して応戦するリザ、そしてエレオノーレの指示で追いかけてきたシュライバーから必死に逃げるルサルカの姿が確認された。


「(俺だけ、ハイドリヒ卿としか呼ばれない件について...)」

 そして、結局団員たちからラインハルトと呼ばれない事に、ひっそりと落ち込むラインハルトの姿もあった。



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