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ソードアート・オンライン 舞えない黒蝶のバレリーナ (現在修正中)
第一部 ―愚者よ、後ろを振り返ってはならない
第1章
第8話 六花が贈るメッセージ(後編)
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押し留める。
違う。これをぶつけるなんて、してはいけない。そんなこと、してはいけない。…………分かっている。理解しているのだ。
「お願いしますから、もうやめてください。それ以上、あなたたちが謝らないでください」
思いのほか平淡な声が出た。それに反応して、彼らの凭れていた頭が、ナマケモノよろしくゆるゆると上がっていく。エギルたちの顔を一人ひとり確認して、私は浅く息を吐いた。
「いいですか、よく聞いてください。――――私は、あなたたちに感謝することはあっても、責めたり、……ましてや恨んだりなんて、そんな的外れなことをするつもりは毛頭ありません」
彼が死んだのは、他でもない、私の力が不足していたからなのだ。
彼らに気を病む道理はない。
「あなたたちが助けに来てくれた、という事実さえあればもう、……私は十分です」
どうかちゃんと笑顔を作れていますように。そう心の中で思いながら、先ほどよりも深く頭を下げた。
「……分かった。もう言わないから、頭を上げてくれないか」
「はい。……今日はもう疲れてしまったので、帰ってもよろしいでしょうか?」
「宿まで送らなくて大丈夫か?」
「お心遣いありがとうございます。けれど、お気持ちだけいただいておきます」
「そ、そうか。……明日のボス戦、無理しなくてもいいぞ」
「大丈夫です。お気になさらないでください。……あ、ただ」
「ただ……、何だ?」
「いえ、大した理由ではないのだけれど……。明日、迷宮区の入り口であなたたちと合流したいのですが、差し支えないでしょうか?」
「ああ、俺たちは大丈夫だ。なんなら、あの指揮官に一人遅れて合流すると言っておくよ」
「ありがとうございます。……くれぐれも、あのトンガリ頭の耳には入らないように気を付けてくださいね」
『ボス戦に遅刻するとはどういう了見や!!』とかなんとか、それくらいは言いそうである。凄く面倒なことになりそうだ。
それはエギルたちも察したのか、みな苦笑いを浮かべる。
……良かった。どうやら、少し気が晴れたらしい。あんな風に荒れた心情のまま明日のボス戦に挑まれたら、それこそ目も当てられない悲惨な状況になる可能性があったのだ。
「……なあ、キカ。お前、本当に大丈夫なのか」
「もう、何度言わせるの。意外と心配性なのね、あなたって」
エギルの問いに笑って返し、しかしすぐに真顔を作った。
「ねえ、エギル。生と死はね、絶対に切り離せない関係にあるのよ。……それこそ光と影みたいに」
愛情と狂気。憧れと嫉妬。天才と狂人。――――それらと同じように、常に背中合わせで、対になって分かつことが出来ない。
「誰しもが向こう側に、……そうね、“影”の方に、その時がくれば笑ってしまう程簡単に落ちてしまう。それはもう、あっさりと。けれども、生きている
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