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ソードアート・オンライン 舞えない黒蝶のバレリーナ (現在修正中)
第一部 ―愚者よ、後ろを振り返ってはならない
第1章
第7話 六花が贈るメッセージ(中編)
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様子を見た限り、聞いたって答えてはくれないだろう。どうせ日付が変われば判明するのだ。別に急がなくても良い。
 そう結論付けて再び歩き出す。彼との口約束を忠実に守ろうとする己に、ついつい苦笑が零れてしまって、上着の裾で口元を隠した。


 時間に換算すると10分程度だろうか。しばらく無言で歩いた後、「あ」、と隣のネージュが声をあげた。
「あれ! ほら、草むらになんか白いものが落ちてない!?」
「え……? あら、本当だわ。なにかしら」
「僕見てくるよ!」
「なっ、ちょっ、ちょっと待ちなさい! 危険なものだったら!」
 しかし私の静止を振り切って、彼はその白いものへ向かって駆けていく。ため息をつかずにはいられなかった。
「……まったく、もうちょっと警戒しなさいよ……」
「あっ、なんか手紙みたいだ! ほらキカちゃん、早く来て!」
「はいはい、わかったわよ」
 もう一度ため息をつきながら、手をブンブン振っている青年へ近づく。……自然と緩む口元には知らぬふりをして。
「私にもそれ見せてくれる?」
「うん」
 彼からその白いもの――――紙を受けとり、そこに書かれた文章へ目を走らせていく。
「……『この手紙を受け取ったあなた、どうか私たちの村をお助けください。とても凶悪な悪魔を封印する準備を整えていたのですが、あと一歩の所で、操られた人間の手で道具が隠されてしまいました。これを何とかして見つけ出してほしいのです』……」
 と、そこまで声に出して読み上げた時、複数の眩い光が地面のいたる所から噴き出した。思わず腕で両目を覆う。
「なによ、これ……ッ」
「一体何が起こって……!?」
 遮っているはずなのに、光が強すぎて視界が赤く染まる。まるで先の読めない事態に、形容しがたい恐怖で足をわずかに震えた。だがそれも、はそう長くは続かなかったようだ。私たちを包んでいた、刺すようなそれはだんだんと収束していくようで、暗闇が勝り始める。恐る恐る腕を外して薄く目を開き――――、
「な……っ!?」
「…………ああ、もう、ずいぶん厄介なことになったわね」
 頭を抱えたくなった。ああ、あの手紙はこういうことだったのかと、理解してしまったのだ。
 先ほどまではただの土の道だったのに、今はかなりの数の箱が出現していた。一つひとつ丁寧に、かつ繊細な装飾が施された宝箱だった。……それがもう、半端なくあちこちに点在している。神秘的な森の雰囲気を打ち壊す勢いだ。
 これは面倒くさいことになったと、大きなため息を吐き出す。すると、聞き慣れた効果音が耳に入った。
「……今、クエストログが更新されたわね」
「うん。ここに飛ばされる前に見た文の書き方と似てる」
「そうね……」
 ――――アイテム≪手紙≫がプレイヤーによって発見されました。これよりイベントがスタ
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