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ソードアート・オンライン 舞えない黒蝶のバレリーナ (現在修正中)
第一部 ―愚者よ、後ろを振り返ってはならない
第1章
第6話 六花が贈るメッセージ(前編)
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出しながら、辺りを見渡し始める。
木々が覆い茂り、前も後ろも道とは言えない道が続いていた。一応道から逸れて森を掻き分けて進むことも出来そうだが、先に行けば行くほど暗く、何があるのか全く見通せない。また、目視した限り複雑に木が乱立しているようで、最悪迷ったら出て来られるのか不安だ。ここは、素直に開けた道を歩くべきなのだろう。
試しにマップを開いてみたが、案の定というか、自分が立っている周辺以外何も表示されていない。マッピングしろということなのだろう。無言でウィンドウを消す。
耳を澄ませば、演出であるはずの鳥たちは楽しそうに歌っていた。色鮮やかな彼らは自由に飛び回っていて、思わずため息をつきそうになる。青々とした葉がまた一枚、静かにひらりと舞い落ちていった。
「どうすればいいのだろう……」
どこかを目指せばいいのか、それとも何かを見つければいいのか。イベントかクエストである可能性が高いというのに、肝心のストーリーは一切進まない。かといってアナウンスも無い。右下のログは完全に沈黙しており、八方塞がりだった。
……もし、もしこれが何かのバグだとして。同じ現象に陥った人はいるのだろうか。というか、この普通では無い世界で、そんなバグを修復出来る人はいるのだろうか。そもそも気付ける人がいるのだろうか。
普通のゲームであるならば、GMに連絡するのが常套手段であろう。しかし、今のこの世界で、果たしてそんなものが機能しているのだろうか?
「……ッ」
電流のようなものが足先から頭のてっぺんに目掛けて駆け抜けた。
もし、マップのどこに存在しているかも分からない場所にいるのが、私一人だけだとしたら? エギルたちが街に戻っても、この現象を誰も聞き入れてくれなかったとしたら? 他に突然消えた人がいたとしても、プレイヤーにはどうすることも出来ない問題だったとしたら……?
「まさか、このまま……」
先ほど消したばかりのウィンドウをもう一度表示させ、メッセージ作成画面を出してみる。だが、予感していた通り、送信ボタンは押せなかった。それは、ここがどこかのダンジョンであるということを意味しているのか。はたまた、通常であればプレイヤーが侵入出来ないようなエリアへ来てしまったということなのか?
嫌な予想ばかりがどんどん膨れ上がっていく。頭を振って払拭しようと試みるが、消えるどころかますます強くなるばかりだ。平静さを維持しようとすればするほど、手足が冷えていく。思考が絡まり、まともに働いてくれない。
こんなの、私でも対処法を知っているわけないじゃないか。
「……はぁっ、は、……っ、ぁ」
目の前が真っ暗になった気がした。ぐわん、と大地が揺れる。
――――駄目だ、駄目だ駄目だ。冷静になれ。乱されるな。落ち着け、考えろ。慌てたらそこまでなのだ。何も進
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