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ソードアート・オンライン 舞えない黒蝶のバレリーナ (現在修正中)
第一部 ―愚者よ、後ろを振り返ってはならない
第1章
第6話 六花が贈るメッセージ(前編)
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の気持ちで掛からなければ、トゲで怪我をしてしまうほどに。
「ほら、行きましょ。早くしなければ時間が無くなってしまうわ」
 クスクスと笑い声を作りながら、後ろにいる五人を急かす。バタバタという足音を聞きながら、私は青い空を見上げた。


 それから私たちは足早にモンスターたちが待つフィールドへと出て、当初の目的であった連携についての確認を始めた。
 やはり、パーティーメンバーとこういう日を設けられて良かったと思う。ボス戦へと突入する前に一日置いてくれたあの青髪の指揮官に、胸の中で感謝の言葉を送った。突発的にパーティーを組むことはあったが、実質今までずっとソロだった訳だし、何よりSAOにログインするまでこの手のゲームをしたことは無かったのだ。明らかに知識が不足していたのだった。
 エギルたちとの戦い中でそれらを補いつつ、幾度目かに遭遇したモンスターへ剣を振った瞬間。
 ぶわっと、青白い光が舞い上がった。ほっと息をつくと、辺りにレベルアップを知らせるファンファーレが響き渡った。
 だが、私の頭の中は白だけが覆い尽くしている。何も思わない。何も感じない。ただ右から左に音が流れていき、機械的にそれを聞いていた。
 すると、ゴツゴツとしたたくましい大きな手が、私の肩を叩く。
「レベルアップおめでとう」
 手と同時に掛けられた声に、振り返る。そして、口元を緩めてから、エギルの瞳を見て言った。
「ありがとうございます」
 ついでに、と、軽く頭を下げてみた。
 しかし、顔を上げてみれば、どうもエギルは困った表情をしている。周りにいる四人も、似たり寄ったりの顔だ。
 ……ああ。
 私の反応から、うまく盛り上がることが出来ない、と言ったところだろうか。こういう時は、どうすれば良いのだろう。というか、「おめでとう」と言われたのだから、「ありがとう」と返せば間違ってはいないはずなのだが……。私はどこかミスをしただろうか?
「……あ、あの……」
「そ、そういえば、キカって左利きなんだな!」
「えっ?」
 沈黙に耐え切れず口を開いたところで、妙に明るい声で言葉が被せられた。まったく文脈がないそれに、自分でもらしくないなと思う素っ頓狂な声が出た。もっとも、この発言をしたルークという茶色い短髪の男の方が焦っているようだが。
「……それが、いかがなさいました?」
「あーいや、武器を左手に持っているだろ?……左利きって珍しいなと思ってだな……」
 思考を通常運転に戻しながら尋ねれば、相当苦し紛れだったらしく、なんとも歯切れの悪い答えが返ってきた。
 ……左利きということだけで騒ぐなんて、学生ですかあなたは。
 ――――と、一瞬口が滑りそうになるが、そのくらい空気がまずかったのだと解釈する。
 右の腰に下がる曲刀を手に取った。少し、彼らの体がぴ
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