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ソードアート・オンライン 舞えない黒蝶のバレリーナ (現在修正中)
第一部 ―愚者よ、後ろを振り返ってはならない
第1章
第6話 六花が贈るメッセージ(前編)
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この広場へは来ない。明日のボス戦でも、一緒にパーティーを組むことは出来ない。そう、思っていたのに。
「は? それはどういう意味だ?」
「どうって……、そのままの意味よ! ……そ、それに、待ち合わせの時間なんて決めていなかったじゃない!」
 それは、“来ないだろう”と予想していた理由の一つだ。私は昨日、場所は口にしたものの、時間までは言わなかった。残念ながらフレンド登録はしていないためフレンド・メッセージが来ない事は当然なのだが、同じ層ならば――――現段階で第1層しか移動出来るわけがないのだから分かるはずだ―――送ることが出来るインスタント・メッセージでも連絡が来ることはついになかった。そのため、今までの自分の言動を考え見てそう結論付けていたのに、見事すぎるくらいに覆されてしまった。
「お前の性格なら、嘘はつかないだろ?」
「……はあ!?」
「そうそう。絶対に来るだろーっていうのが、俺たち全員の考えだったよ」
 男たちが言う言葉に、エギルがうんうんと頷き、
「だから、あとは根気だ。ここで待っていればそのうち来るだろ、ってな」
「……な、なんて効率の悪いことを……」
「まあ、今こうしてちゃんと落ち合えたんだから、俺としては満足だがな」
「…………念のために聞いておくけれど、インスタント・メッセージを送ろうって考えはなかったのかしら?」
 私が恐る恐る問いかければ、エギルがあっと声を上げる。何だその反応。まるでその、名案を聞きました、みたいな顔は!
「そう言われたら、確かにその方法があったな」
「いや……いやいや、ちょっと待ってちょうだい。 まず真っ先に思いつくのがそれだと、私は思うわよ!?」
 何なんだ、何なんだ彼らは。単に抜けているのか、それとも私を和ませようとでもしてわざとやっているのか。
 なんにせよ、ムキになるのが馬鹿らしくなってきた。大きくため息をつきながら、それでも最後にひとつ、どうしても確認しておきたいことを問う。
「……私の考えが狂っていること、理解しているのよね?」
 これで「何のことだ?」なんて言われた日には、即行自分が拠点としているあの村まで戻ってやる。そう固く心に決めながら、若干睨み上げるようにエギルを真っ直ぐ見つめる。しかし彼はそれに全く臆した様子は無くて、少し悔しかった。
「考え方なんて、人それぞれだろ。確かに、そりゃ……一般的な考えと比べるとキカのはちょっと変わっているかもしれないが、俺にそれを否定する権利はない」
 むしろ否定することの方が問題だろ、とエギルは豪快な笑みを浮かべた。
 偽りの色は見えない。エギルの後ろにいる男たちも、同様に晴れ晴れとした笑顔を浮かべている。瞬間、ネージュのそれと被って見えて、口を引き結んだ。
 しかし、その明るい笑顔を、ネージュの時のように素直に受け入れる
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