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ソードアート・オンライン 舞えない黒蝶のバレリーナ (現在修正中)
第一部 ―愚者よ、後ろを振り返ってはならない
第1章
第4話 君の瞳、僕の瞳(前編)
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頼”など、とうの昔に捨てた。
スグや幸歌、慎一の事はそれでも信じていたが、もう新たに親しい人を作るなど不可能に近いだろう。
そう、無理だ。私には、もう誰かを信じるなんてことが出来るはずもない。だがそれではこの先詰むというのは分かりきっている。ならば表面上だけでも取り繕えば良いのだ。たとえ中身が伴わないものだとしても。“仲間”という、形がそこにあれば良い。
たがせめて、あと少しは。
あと少しだけは、このまま誰にも関わらずに過ごしていたい。
もちろん、“攻略”も忘れてなどいない。 私は、決めたことは決して曲げないのだ。ただ、たとえセオリーから外れていることだとしても、己が最善とするならば進むというだけのこと。
* * *
隙間風がガタガタと戸を揺らす。ゆっくりと瞼を空ければ、古ぼけたタンスと少し傾いた机が目に映った。固い寝台から身を起こし、窓一つない物置のような室内を見渡す。
ここは、私が拠点として借りている家だ。この村で唯一鍵が掛けられる場所だった。床板が所々落ち、壁は隙間だらけ。おまけにかなり埃っぽい上に、土臭い。落ちた床板の下から草が伸び、部屋全体が薄汚れている。空気を入れ替えられるとしたら、この小さな空間に唯一存在する出入り口だけ。
明らかに不衛生でとても寝泊りし生活する空間では無かったが、寝ることが出来れば十分だった。寝台と机さえあれば困らない。生活の質なんてものは私にしてみたら付属品で、必須項目ではない。隙間風がただ一つの難点だったが、どうせこの世界では寒くても風邪をひくことはないのだ。気にする価値もないだろう。
常に薄暗い室内が、無骨な裸電球によって照らされていた。風のせいかチラチラと電球が揺れ、それに伴い光もグラグラと照らす場所を変えていた。私はそれをボンヤリと眺めながらふと時刻を確認し――――ため息をついた。
少しだけ休憩するつもりだったのに、どうやら本格的に寝ていたらしい。やはり、朝まで一睡もせずに狩りをしていたのが悪かったのだろうか。
睡眠を取らなくてもこの世界の身体への影響は無いはずなのに、何故か消耗する。集中力は落ち、動きは緩慢になって、感じるはずのない痛みを覚える。それはこの世界において死へ直結する危険なものかもしれないが――――、だがその程度だ。ただまあ問題には違いないので、もっとも効率の良い睡眠時間を模索している。つまり、どこからが限界で、どこまでが削っても特に問題なく活動出来る範囲なのかということ。限界が分かれば効率よく行動が出来る。もちろん長期間継続するのは不可能かもしれないが、おそらく一線を越える前に数時間程度休憩すれば回復出来るだろう。
おそらく、行動に限界が来るのはこちらの世界の身体の問題ではない。こちらの世界での休息は、アバターである体を
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