ターン49 鉄砲水と天部の舞姫
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ナクティスの5体をデッキに戻しカードを2枚ドロー。来てくれたわね、魔法カード、融合を発動!手札のブレード・スケーターと、エトワール・サイバーを融合!融合召喚、サイバー・ブレイダー!」
明日香の初代切り札である融合モンスター、サイバー・ブレイダー。リリースを封じられたとしても、さすがにちゃんと対策はできていたってことか。
サイバー・ブレイダー 攻2100
「サイバー・ブレイダーは相手モンスターが1体のみの時、戦闘破壊耐性を得るわ。パ・ド・ドゥ!」
「だけど耐性を持ったところで、霧の王の攻撃力の前には!」
「そこも当然対策済みよ。装備魔法、団結の力を発動!私のフィールドにモンスターが2体存在することで、サイバー・ブレイダーの攻守は1600ポイントアップするわ」
サイバー・ブレイダー 攻2100→3700 守800→2400
「ここに来ての力押し……いかにも明日香らしいね」
「褒め言葉として受け取っておくわよ?バトル、サイバー・ブレイダーで霧の王に攻撃!グリッサード・スラッシュ!」
「だけどあいにく、力押しなら僕も負けちゃいないんでね。リバースカードオープン、グレイドル・スプリット!このカードは攻撃力500ポイントアップの装備カードとなり、僕のモンスター1体に装備される!パワーアップだ、霧の王!」
霧の王の片目がいきなり銀色の光を放つ。青と銀のオッドアイズとなり更なる力を解放した霧の王による剣の一撃が、サイバー・ブレイダーのスケートシューズでの回転蹴りと空中で交差する。どちらもの攻撃も致命傷には届かなく、それぞれが地面に着地した。
サイバー・ブレイダー 攻3700→霧の王 攻3600→4100
明日香 LP700→300
「やるわね。私は……これで、ターンエンドよ」
「明日香……」
バトル自体は互いに破壊されなかったが、この一撃でもはや勝負は決した。もはや手札も尽きて墓地リソースもない明日香のライフでは、次のターンで霧の王とサイバー・ブレイダーがもう1度今と同じバトルを行うダメージにはどうあがいても耐えきれない。そんなことに気づかない彼女ではないだろうが、それでもサレンダーすることなく前を向いたままターンを終えた。
……僕に、同じことができるだろうか。負けたといっては下を向き、また負けたといっては卑屈になり、さらに負けたといっては自分から下に下に沈んでいく、そんな僕に明日香のように誇り高く、デュエリストとして最後まで前を向いて正々堂々と絶望しかない戦いであっても続けることができるだろうか。
「僕のターン……」
僕には何もわからない。『相手のドロー次第では持ちこたえられる程度の負け』ばかりを味わってきた僕には、こんな『相手のドローすら関係なくすでに負け確定』なんて状況に
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