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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第51話:酒も料理も高価。でも一番の高価はスマイル。
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、一体誰なんだろう?

「とっつぁん……もう一人はどなたですか?」
隊長も気になったのか、もう一人の事を聞き出そうとする……ありがたい。
「ないなに? カタクール候って“とっつぁん”って呼ばれてんの? ゼニガタって改名する(笑)」

「言ってる意味、よ〜く解らんから遠慮する」
プーサンの意味不明な言葉に、流石のカタクール候も少し困り気味。
どうやら立場的なのは、プーサンの方が上みたいだ。如何いう関係なんだろう?

「そ〜んな事よりぃ、今晩の主役は殿下だからぁ、皆で飲める席に行こーぜぇ」
「え、何とっつぁん? 今“殿下”って言った? 何“殿下”って! か、彼の渾名かな?」
隊長の質問に答える素振りはなく、合計8人になった俺達は店員等の許可も得ずに席を広い方に移す。“殿下”って事は、マジで殿下なんですか!?

そして上座に当たる場所に“殿下”と呼ばれたお方を座らせ、突然現れた女の子を各人の間に一人ずつ座らせ(自分の隣にはお気に入りの娘を座らせ)、「と〜りあえずぅ水割り」と勝手に注文する。まぁ俺等は無料酒(ただざけ)なら何でも良いですけど……

「ねぇねぇパパぁ……そっちのお兄さんが主役って言ったけど、何かイベントがあったのぉ? パパの下で出世したとかぁ」
「“パパ”!? カタクール候の娘さんだったんですか?」
この“殿下”は大丈夫か? あまり常識がなさそうだけど、本当に本物なのか?

「違ーよ。“パパ”って呼んで、普段モテない醜男を喜ばせて、持ち金をふんだくろうとしてるんだよ」
「な、何だそれは!? 悪質じゃないか、ここは」
「悪質だけど、ティミーさんも生まれたばかりの可愛い娘に『パパぁお金頂戴』って言われたら、鼻の下伸ばしてあげるだろ」
「……なるほど。確かに!」

「「納得するんかい!」」
ほぼ同時だった……俺と副隊長のツッコミは、ほぼ同時に発声された。
「……っていうか、本物の王子様ですか?」
女の子の一人が“殿下”の正体に気が付いたらしい。

「そ〜なんよぉ。このティミー殿下にぃ娘が産まれたぁんだ。だ〜からお祝いに、こ〜こへ来たちゅ〜訳なんさ」
やっぱりぃぃぃ!!
本物! 正真正銘の王子様ぁ!

「「きゃぁ〜、王子様でしたのねぇ?」」
先刻(さっき)まで常連のカタクール候にしか色目を使ってなかった女共が、急に殿下に色目を使い始めた。俺等だけの時は近寄りもしなかったのに……

「ね! ね!! お金持ちでしょ!? これなら破産させる程に飲んでも、大丈夫でしょぉ!」
「ちょ、プーサン……何を言ってるんすかぁ!!」
先程言ったとんでもない発言を蒸し返され、流石のオーキットさんも大分焦っている。

「ダ〜メだよぉプーサン。殿下はぁ、今晩主役なんだってばさぁ。金出させる訳いかねーで
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