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英雄伝説〜菫の軌跡〜(零篇)
第15話
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が好きなんだな…………いったい、どうしてそこまで?」

エリィの疑問に微笑みながら答えたリーシャを見たロイドはリーシャのイリアに対する思いを微笑ましく思いながら何故そこまでイリアの事を大切にしているのかリーシャに訊ねた。



「ふふ……この劇団には、かなり強引に誘われてしまいましたけど………でも私、嬉しかったんです。クロスベルに来るまで………私は決められた道しか歩いていませんでしたから。」

「え………?」

「だからあの人の演技を見てとても惹きつけられたんです。ああ、こんな風にただ上を向いて力強く輝ける人がいるんだって。ふふ、決して手が届かないものだから憧れてしまったのかもしれませんね。」

「リーシャさん………」

寂しげな笑みを浮かべて語るリーシャをエリィは見つめ、ロイドは考え込んでいたが

「―――手が届かないなんてそんな事はないんじゃないか?」

「え………」

「確かに、今回の君の役は”月の姫”………”太陽の姫”の輝きを受けて映える役かもしれない。でも、素人目から見ても君とイリアさんの演技の良さはそれぞれ別物じゃないかと思った。君は君自身として……いつかきっと輝けるはずだよ。」

静かな口調で語り、リーシャをはげまそうとした。



「そう………でしょうか?」

ロイドの話を聞いたリーシャはどこか期待がこもった様子を見せながらロイドに尋ねた。

「ああ、だからこそイリアさんも君を誘ったんじゃないかと思う。今回の事件……俺達も壁にぶつかったけど何とかここまで辿り着いた。きっと解決してみせるから………だから君も全力で頑張って欲しい。」

「は、はい………!それじゃあ私、そろそろ行きますね。ロイドさん、エリィさん。どうか頑張って下さい。」

「ああ……!」

「ええ、あなたも頑張って。」

そしてロイドの説明を聞いたリーシャは嬉しそうな表情で頷いた後、ロイド達から去って行った。



「さてと……俺達もステージが始まるまでどこか別の場所で待機するか。………ん、どうしたんだ?」

リーシャが去った後ロイドはエリィに提案したが、リーシャが去った方向をじっと見つめているエリィの様子に首を傾げて尋ねた。

「はあ………まったくもう。これで無自覚なんだからタチが悪いというか………」

「へ………」

「―――何でもありません。それよりも、あそこまではっきりと約束したんだから。今回の事件………絶対に解決しないとね?」

呆けているロイドをジト目で見つめたエリィは微笑んだ。



「ああ、勿論だ……!」

「……そういえばずっと気になっていたんだけど、どうしておじいさまにおじいさまがわざわざ支援要請を出すという形をとってまでしてレンちゃんをお
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