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英雄伝説〜菫の軌跡〜(零篇)
第15話
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バーチェどもの相手とか。」

「っ………やっぱり”黒月”に協力してマフィアと暗闘しているんだな………俺達クロスベル警察が手を出せないことをいいことに……!」

エリィの疑問に答えた銀の話を聞いたロイドは表情を厳しくして、銀を睨んだ。

「クク、そう恐い顔をするな。ギルドも面倒だし、一応民間人は巻き込まぬように配慮しているさ。もっともルバーチェの方がそこまで殊勝かどうかは知らないが。」

「お前………」

「いずれにせよ、我が名を騙って勝手な事をさせるわけにはいかない。依頼を受けるか否か――――答えてもらおう。」

「………わかった。あんたの頼みに応じる訳じゃないが真犯人の企みの阻止には協力しよう。」

「ふふ……それでいい。」

自分に対して敵意を見せながらも警察の本分――――”犯罪を防ぐ”為に自分の依頼を請けたロイドの返事に銀は満足げな笑みを浮かべて頷いた。



「………でも、どうするんですか?いつ、誰が何をしようとしているのか全く見当も付かないというのに……」

「いつ、というのは心当たりがある。もしその犯人がアルカンシェルに関することで何かを仕掛けてくるとすれば………本公演の初日か、プレ公演だろう。」

「本公演の初日か、プレ公演………」

「そいつは同感だな。やっぱり最高に盛り上がるとしたら本公演の初日になるだろうが……」

「……関係者一同が招待されて、お披露目をするプレ公演も格好のターゲットというわけね?」

(………アルカンシェルの公演の時に限って銀は真犯人の狙いを阻止する事ができない………しかも標的でもないイリアお姉さんの性格をまるでイリアお姉さんと親しい人かのように熟知している………うふふ、もう銀の正体はわかったも同然だけど念の為に銀と”彼女”がクロスベル入りした時期を調べないとね………クスクス、自分の正体が悟られた時の”彼女”の反応が今から楽しみね♪)

銀の推測にロイド達がそれぞれ考え込んだり話し合ったりしている中レンはある事を考えながらもその様子を一切表情に出さず、まるでロイド達と一緒に考え込んでいるかのような表情で黙っていた。



「フフ、その通りだ。お前達に頼みたいのはその両日における警戒行動………捜査一課が裏をかかれた時のため、劇場内を密かに巡回するという事だ。そして、いざ何かあった時は迅速な対処をしてもらいたい。」

「……勝手を言う……けど、筋は通ってるみたいだな。」

「アルカンシェル方面に頼めば劇場内の巡回は問題なさそうね。問題は一課の目を誤魔化せるかくらいだけど………」

「そうですね………見つかったらつまみ出されそうですし。」

銀の指示に溜息を吐いたロイドだったがすぐに気を取り直し、エリィの心配している事にティオは疲れた
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