第18話『部長VS.副部長』
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「俺の雷で地面を抉って砂煙を起こした。それだけだ」
当たり前だ、と言わんばかりの様子の部長。
あの危機的状況下において、よくそんな方法を思いついたなと、俺は感心した。
「じゃあ今度はこっちの番だ。さっきの分をやり返さねぇとな!」
「あの構えは!」
部長がとったその構えに俺は思わず声を上げる。
あの構えは、以前俺に初めて“夜雷”を見せたあの時の、つまりは指鉄砲の構えだ。
しかしあの技は対人では威力が高すぎると思う。まともに喰らえば焦げてしまうのではないか? 非常に危険だ。
「出たわね。でも対策はバッチリ用意してるわ」
「じゃあ見せてみろ! 弾けろ、冥雷砲《めいらいほう》!」
撃った! 黒い閃光が一直線に副部長を狙う。
てか躊躇う様子も見せなかったけど、まさか本気の威力!?
副部長は一切動かないんだけど、大丈夫なのか…?
ドゴォォォン
とうとう部長の攻撃が副部長に命中してしまった。
結局、対策だとか言ってた副部長が何かをした様子は見えなかった。
「なんだ、呆気ねぇな」
つまらなそうに呟く部長。
見据える先はまたしても砂煙に覆われていて、副部長の安否はわからない。
だけどその瞬間、明らかに部長は油断していた。
「──もらった!」
「がはぁっ!?」
いつの間にか副部長は部長の後ろに回り込んでいた。
そしてそこからの不意打ちには、さすがに部長も反応できない。
部長よりも一回りも二回りも小さい身体の、どこにそんな力があるのか。副部長の焔を纏った斬撃によって、部長は勢い良く吹っ飛ばされ、為す術なく地面に転がる。
ここにきて強烈な一撃だ。だが今の一撃は、刀で"斬った"というよりは"殴った"に近い。その証拠に、吹っ飛ばされた後の部長には火傷こそあったが、切り傷がなかった。副部長の配慮と言うべきか。
とりあえず俺は一安心した。
魔術の戦闘ってこんなに苛烈なの? ヒヤヒヤするなぁ…。
「お前…今の当たってただろ…?」
「アンタっていっつもその技使うじゃん。弾道くらいもう見切れるっての。寸前で避けるのなんて楽勝よ」
部長の問いに副部長はさも当然のように答えた。
当たったように見せかけて、砂煙を目くらましに即座に接近したという訳か。随分と人間離れした動きだが、魔術ならそれも可能になるのだろうか?
それにしても対策って、ただ避けるだけだったんだ。こう言っちゃなんだが…しょぼいな。
「この野郎っ!」
「ふっ!」
すると部長が脚に雷を纏わせ、副部長に蹴りかかった。真正面から放たれたそれを、副部長は避けることなく刀を使ってそれを受け止める。
だが
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