第18話『部長VS.副部長』
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的な意味で。
「ひひっ」
「な、何だよ、気持ち悪い」
「え、酷くない!?」
*
戦闘開始から10分は経ったが、未だに戦況は変わらない。
そんな一幕、互いに距離をとって睨み合っている。
「そんなに離れてちゃ不利だぜ?」
部長がそんな挑発をした。
確かに副部長との距離は5mほど離れている。
部長の主属性が雷なのに対し、副部長は刀。つまり部長は遠距離、副部長は近距離が得意といえる。
ということは、今の状況は副部長が完全に不利なのである。
「甘く見ないで」
そう副部長は微かに笑みを浮かべながら言った。その堂々とした態度は、自信に満ち溢れているようにしか見えない。
ゆっくりと、副部長は刀を上に振り上げた。まるで、今から"その場所で"斬りかかると言わんばかりに。
「何をする気だろう?」
「さぁな」
その様子を見た俺は暁君に問いかけるも、彼にも副部長の行動はよくわからないようだった。
「さて、何が来るんだ?」
「私のとっておきよ!」
副部長はそう言うと刀に焔を纏わせ始めた。そんなこともできるのか。しかし、それだけじゃ部長との距離を埋めるには至らない。
だが、副部長の狙いは違うところにあった。
「喰らえ、"紅蓮斬"!」
「何っ!?」
副部長の刀が空を斬る。その瞬間、なんとそこから焔の衝撃波が発生し、部長に襲いかかる。
さっきまでと打って変わった遠距離攻撃に、部長は不意をつかれて為す術なくそれを喰らってしまった。
「熱っ!」
焔の中に閉じ込められた部長。悲鳴に似た絶叫が聴こえるけども、焔が消えることはなかった。いやいや、普通にヤバくないか?!
「ほらほら。さっき私に言ったこと謝れば、止めてあげないこともないわよ?」
「誰が謝るか、暴力女!」
「…燃え尽きろ!」
副部長はさらに焔を加える。
相変わらず副部長と部長の口喧嘩が酷いのだが、言ってることが現実になりそうだから恐ろしい。
「どうなってんだろ…」
俺はそう零した。
副部長が続けて刀を降り払い、その先で部長が燃え盛る。だから部長の周りは焔で包まれ、よく様子がわからないのだ。
雷じゃ炎は消せない。このままだと部長が黒焦げになって、本当にマズイのではと思った次の瞬間、突如として舞い上がった砂塵にその焔は鎮火される。
「ふぅ、危ねぇ危ねぇ」
砂煙の中から首を鳴らしながら出てきた部長。
副部長はその様子を見て、驚きの表情を隠せない。
「…何で抜け出せたのよ」
副部長は語気を強くして訊いた。悔しさが顔に滲み出ている
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