第十三話 人間だからその五
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「姉さんに言ってね」
「僕も姉さんと龍馬以外には誰にも言ってないし」
「うっかり漏らさない様にね」
「そのことは気をつけてるよ」
「少し先になったらまた考えるから」
優花の身体が目に見えて変わってきたらというのだ、即ち実際に身体が女のものになってきたその時はというのだ。
「どうするかね」
「何かやり方があるんだね」
「ええ、もうお髭は生えていないわね」
「最初からね」
「胸とか脛の毛は」
「ちょっと前まで脛毛はちょっとあったけれど」
しかしというのだ。
「今はね」
「ないのね」
「全然ね」
実際にというのだ。
「抜けたみたいよ」
「そうなのね」
「それに身体つきも」
優花からそちらの話をした。
「何か筋肉がなくなってきて」
「柔らかくなったのね」
「そうなんだ、丸くなってきて」
「胸やお尻は?」
今度は優子から尋ねた。
「どうなってきたの?」
「何かね」
「出て来たのね」
「そうなってきたかな」
「間違いないわね」
そこまで聞いてだ、優子は断言した。
「もう優花は女の子になってきているわ」
「徐々にだね」
「ええ、そしてもう少ししたら」
「実際になんだ」
「完全になるわ」
それこそというのだ。
「女の子にね」
「じゃあ若しも」
優花はまだとても信じられない未来をあえて言った。
「僕が誰かと結婚して」
「そしてなのね」
「赤ちゃんは」
「産める様になるわ」
「そうなるんだね」
「女の子になるからね」
その身体がというのだ。
「だからね」
「僕本当になんだね」
「女の子になろうとしてるの」
「不思議だけれど現実のことで」
「そう、赤ちゃんを産んでもらうんじゃなくてね」
「僕が産むんだね」
「姉さんと同じよ」
こうも言った優子だった。
「そのことはね」
「そうだよね」
「赤ちゃんを産むのはね」
まさにというのだ。
「女の人だけでしょ」
「うん、そうだよね」
「まあ男の人でもね」
「そんなお話あるの?」
「医学的に有り得ないけれど」
それでもというのだ。
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