第49話《隻腕の竜神》
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テュールって確か・・・北欧神話の軍神だったよね?」
「軍神?」
「テュールは隻腕でありながら強大な戦闘力を誇り、軍神と恐れられていた」
「隻腕の軍神・・・」
リーファの言葉にアリーが聞き返し、サクヤさんが代わりに答える。
テュールとは隻腕で片腕のない神だったが、軍神と恐れられるほどの戦闘力を誇る神だそうだ。確かにそう思えるな。両手でなければ持ち上げられない大剣を右へ左へと軽々と振り回し、村雨を斬り刻むライリュウを見たら嫌でもそう思える。アイツはSAOでテュールになっていたのかもな。
「だが、彼の戦闘スタイルは・・・」
「ドラゴンを模した剣や鎧、獰猛な獣のような気迫。そしてテュールのような戦闘力・・・」
「名付けるとしたら・・・」
そんな物は決まっている。ドラゴンの剣、ドラゴンの鎧、獣のような覇気、そして隻腕。これほどの特徴を持っていたら、嫌でもこの名前を思い付く。あの男の名はーーー
『《隻腕の竜神》・・・!!』
その名が最も相応しいだろう。
「やっぱコレが一番しっくり来るぜ」
「片手で両手剣を?そんな邪道で俺に勝つつもりか!」
ようやく自分の戦闘スタイルを掴んだ事で調子を取り戻した。村雨が発した『邪道』という言葉にライリュウは顔を近付かせーーー村雨の顔が驚愕の色に染まる。何か吹き込まれたのか?
「ふぅ〜・・・おい、そこの・・・ネコミミのお兄さん。誰が逃げたって?キリトは敵前逃亡するような腰抜けじゃねえぞ。ホレ、見てみろ」
ライリュウはそう言って空を見上げる。その視線の先を俺達全員が見据えーーー
「キリトくん!!」
アルヴヘイムの太陽を背に急降下するキリトを認識する。
リーファはキリトの再登場に喜び、キリトと戦っていたユージーン将軍は《魔剣グラム》を構え突撃する。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「うらぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
キリトの片手剣《ブラックプレート》の突きをかわし、ユージーン将軍の《魔剣グラム》がキリトの首をーーー斬る寸前に先ほどリーファからくすねた長刀で弾く。
その戦闘スタイルは、かつてキリトがSAOにて修得し、ALOにて失なわれたユニークスキルーーー二刀流。話で聞いただけだが、その手数と速さによる斬撃はあの世界の神を打ち破る勇者の力。その威力はーーー連続で胴を斬り刻まれているALO最強を見れば一目瞭然。
「さて、キリトも本気になった事だし・・・こっちも終わりにするぜっ!!」
「しまっ、グアァァァァァァァ!!」
キリトの戦況を見て、ライリュウは決着を着けるために村雨を前に蹴り《ドラゴンビート》で胸を貫く。そしてその状態で飛び上がりーーー
「キリトォーーーーーー
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