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101番目の舶ィ語
第十五話。最悪の都市伝説
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染まった空。大災害にでもあったかのような崩壊した街並み。
そして、狂ったように高笑いしていた聞き覚えのある少女の声______。

「さ、最悪の敵って……理亜ちゃんとか、あの氷澄って人とか、みんなの力を合わせればなんとかなるんじゃ……」

「おそらく、今集められる全員の力を使っても。それどころか近隣のロア達を集めても。勝利する確率は低いのです。それだけ、その敵は恐ろしいロアなんです」

「そんなのっ! だって、自分で言うのもなんだけど『神隠し』とか、ええと、なんかマッハの凄い技とかだって、なんとかしてたのよ?」

「そうですね。兄さんはそういった意味ではとてもよくやっていると思います。最初から強いロアばかりと戦い、そのレベルアップも早く、頼もしい『主人公』になっているのは確かなことでしょう」

「だったら!」

「でも不可能です。それだけ、その『最悪の敵』というのは恐ろしい存在なんです。兄さんがいくら人間離れした人でも、8番目のセカイに『逸般人』なんて書かれた変人だとしても、ぜーったい勝てません。
皆さんが力を合わせても、この町にいるロアの力を集結させても勝てないくらい、それだけ強い敵なんです。
それこそ、皆さんを守る為に単独で挑む、なんて愚かな選択をとってしまうくらいに」

俺が挑むことになるロアはそんな凄い存在なのか……っていうか、あの、理亜さん。さりげなく、俺のことディスってません?
しかし、『終わらない(エンドレス)千夜一夜(シェラザード)』と呼ばれる、どんな都市伝説でも対抗できるはずの『主人公』が恐れる存在かぁ。
……二つほど、思い浮かんだんだが……それは流石にないな。
絶対、違うな。うん。頼むから絶対に当たらないでくれ。もし、当たったら俺は戦わないぞ、絶対だぞ!
などと、思うが俺が絶対、絶対言うとロクな目に遭わないわけで。

「い、一体なんなの? 理亜ちゃんくらい凄い『主人公』がそんなに恐れる敵って。えっと、都市伝説なんだよね?」

「はい。それは世界中で信じられたほどの、恐怖の都市伝説______」

その名を口にするのも恐ろしいとばかりに、理亜は間をとって、そして、言うのを躊躇うかのように視線を落とす。

「そ、それってなんなの?」

尋ねる音央の声も震えていた。ロアである彼女は、もしかしたら何かを察したのかもしれない。
世界中で噂されるには、世界中の人間がそれを半信半疑で語り合わないといけない。
それくらい有名な、誰でも知っているレベルの噂話______『世界』が危険になってしまうような噂話。
それは……。

「はい、その最悪のロアは、かつて1999年7月に、多くのロアやハーフロアが挑み、戦い、多大な犠牲を払って、絶望的な戦争の果てになんとか封じることの出来た存
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