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101番目の舶ィ語
第十五話。最悪の都市伝説
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けど、自分や鳴央さんにとって兄さんは恩人で……これからも、自分のようなロアやハーフロアを助ける『主人公』である、と」

「……音央……」

よく見ると俺の腕の中で気を失っている音央の目元はちょっと赤くなっていて、泣いたような形跡があった。
音央が泣くほど悩んでくれた。その事実に嬉しさも感じるが、だが何より泣くまで追い詰めてしまったことに悔しさを感じる。

「ん……え? あ、モンジ……」

と、腕の中でもぞもぞっと音央が動く。どうやら失っていた意識を取り戻したみたいだな。

「何勝手に突っ走ってるのかな? 後でオシオキだよ」

「お、オシオキって何する気よ! っていうか、あんたなんでこんなトコ来てんのよ! ってか下ろせ変態むっつりスケベスケコマシ??」

「むっつりじゃねえ??」

返對って、何で音央がヒステリアモードの昔の呼び方を知ってるんだ?

「むっつりしか否定しないのねっ」

スナオちゃんからツッコミが入り、理亜とかなめのじとーっとした冷たい視線が突き刺さる。
いや、否定したいんだけど……今までいろいろやらかしてきたから否定できないんだよ。
そんなことを内心思いつつ、音央の体をゆっくりと地面に立たせた。

「でも、ありがとう。俺と理亜の為に悩んでくれて」

そう言いながら俺は音央と理亜の間に入るように立つ。
そして、理亜と目を合わせる。

「音央さんが『妖精の神隠し(チェンジリング)』そのもので、大勢の人々を消してしまった罪滅ぼしがしたいというのは理解できました。そして、兄さんがそんな貴女達罪のあるロアでさえ救おうとしているのも、納得しました」

「理亜ちゃん……」

「ですが、それとこれとはまた話が別なのです。音央さんだからこそお話しますが、私が兄さんを私の物語にしたいのは、兄さんを信用していないからではありません。むしろ、兄さんならば私よりも多くのロアやハーフロア、ロアの事件に巻き込まれた人々を救うこともできるとすら思っています」

「っ、だったら??」

「だからこそです。そうやって仲間を増やし続けた兄さんは、その仲間が傷付くことや消失を恐れるあまり、単独で最悪の敵に挑むことになるからです」

「最悪の敵……?」

音央が疑問の声を上げる。
俺はかなめが語っていたいくつかの話からそれがどういった存在かを思い浮かべることができた。

「かなめが言っていた破滅の属性を持つロアか?」

俺の呟きに理亜はキッとした表情を浮かべ、かなめを見る。

「……話されたんですか?」

「うん。でも、まだその正体までは言ってないよ?
多分、お兄ちゃんは薄々感付いているとは思うけど」

ヒステリアモードの時に思い浮かんだのは、理亜が見たあの夢。
真紅に
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