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101番目の舶ィ語
第十五話。最悪の都市伝説
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なっても普段の俺と変わらない。
マイナス30倍から0になったってところか。
通常時と比べたらちょこっと強くなってはいるが、その変化量は普通のヒステリアモード時とあまり変わらないからな。
これならベルセの方が強い。
だが、それも仕方ない。ヒステリア・レガルメンテは傷付かれた女性の数だけ便乗して強くなっていくモードだから音央一人分だけじゃ、あまり変わらないのだ。

「大丈夫だよ。お兄ちゃんはもう戦わなくていいから。理亜ちゃんと私でお兄ちゃんに降りかかる火の粉は振り払うから」

「それは魅力的な提案だけど、お断りするよ。
女性に守られるだけの男にはなりたくないからね」

映像を見ると、音央は空を飛んだ。
アレは理子やアリアがやったみたいなツインテールで飛行……ではないな。
背中からなんか小さな羽が見えたし。
その姿はまるで『妖精』のようだな。

「『妖精の羽』かぁ。ロアってなんでもありなんだね〜」

かなめが感心するかのような声をあげた。
確かになんでもありだな。
『都市伝説』の通り、噂をなぞえばなんでも出来る、応用が効く力。
それが『ロア』の強さなんだろう。
そう、応用が効くんだ。
だから、俺が今からやることも成功するはずだ!
成功率は50%・50%(フィフティー・フィフティー)だが、0じゃない。だからきっと成功できる!

「かなめ、悪いけどそろそろ俺は音央のところに行くよ」

「どうやって? HSSになれたみたいだけどそれでもいつもよりは弱いのに?」

「どうにかするよ。俺は『不可能を可能にする』……そんな(ロア)だからな」

かなめにそう言った俺はかなめの手を振りほどき、何もない空間に掌をかざす。
そして、ただ一言呟いた。

「『削除(デリート)』」

パキィィィン??

空間に亀裂が入り、そしてその空間の先には……。

「兄さん??」

俺の姿を見て驚く理亜の姿と。

「あ、なんだ。来たのね。ふふーんどう? 『妖精』すらも攫っちゃう私の赤マントはやっぱり最強なのよ! はい」

得意げな顔をしながら気絶した音央を差し出すスナオの姿があった。
かなめに視線を向けるとかなめは絶句していた。自分の『ロアの世界』を破られたことがショックだったようだな。だが、これでわかったろ、かなめ? 俺を相手にするのは容易じゃないって。
俺はかなめが展開していた『ロアの世界』を強制的に解除して、尚且つ、空間を十二宮中学校に繋がるように『干渉』したのだ。
『消去』と『干渉』。
それが俺のロアの力だからな。
音央を受け取りながらそんなことを思っていると、理亜が語りかけてきた。

「音央さんは、兄さんの代わりに戦いに来たと仰いました。自分の罪は決して許されることはない
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